胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

collagenous colitis (バンドにとらわれないで)

2008-10-02 | 大腸炎症
 またもcollagenous colitisがありました。もはや稀な腸疾患ではありません。胃薬を飲んで下痢をされている方です。collagenous colitisの病理診断基準について最近よく質問されますので、私なりのポイントを提示します。写真をクリックしてください。いきなり、collagen bandに目を奪われることなく、バンドを見る前に、まずは慢性の「腸炎」であることを認識しましょう。
1) IBD (UC)ほどではありませんが、形質細胞浸潤が目立ち、深部(陰窩底部と筋板の間)まで認められます。消化管粘膜で、形質細胞は生理的には固有層上部にあります。
2) 表層被蓋上皮が変性し、剥がれそうです。
3) 好酸球もそこそこ認められます。
4) さてcollagen bandですが、「collagen bandが肥厚する」と表現される方が多いのですが、この表現では「基底膜が肥厚する」ものだと誤解されてしまいます。肥厚するのではなく「collagen bandが形成される」のです。collagenous gastritisではしばしば、被蓋上皮直下ではなく、少し下の腺頚部あたりにバンドができることがあります。バンドの中には毛細血管がトラップされています。
2,4)の所見で、水分が吸収されず難治性下痢になるというイメージに結びつきます。
5) IBDではありませんから、陰窩上皮の直線性は保たれています。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 胃腺腫、良悪性境界病変のア... | トップ | collagenous colitis (バンド... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
collagenous colitisと診断されました。 ()
2011-01-30 18:52:36
はじめまして。collagenous colitis(コラーゲン性大腸炎)で検索して、このブログに辿りつけました。

私は、8年間うつ病で投薬治療を受けていましたが、昨年6月頃より、水溶便が日に4~50回繰り返すようになり、一時期、BMIが23.41でしたが、現在は19.66で、食欲も無く、ただ、水分のみを補給するようにしています。

内科で検査するようにと精神科医から指示があったので、腸カメラの結果collagenous colitisという病気になっていると診断されました。

精神科医、内科医から日に20錠近く処方され、何が良くて何が悪いのか、頭がパニック+うつが悪化してしまいました。相変わらず下痢は止まりません。

このcollagenous colitisに効果のある薬剤または、何か自身で出来ることはありますでしょうか・・・

もし、よろしければアドバイスを頂きたいと思います。よろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

大腸炎症」カテゴリの最新記事