胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

大腸低異型度癌、low-grade dysplasia, invasion, IBD

2011-09-06 | 大腸腫瘍
 UCの粘膜を背景とした隆起性病変です(DALMとよぶひともいます)。腫瘍性の腺管であることはわかりますが、異型性は軽度です。粘膜下層に浸潤していますから、globalにadenocarcinomaといえますが、腺管だけみてもcarcinomaというのは難しいです(腺管だけならLGDでしょう)。いわば胃でいう低異型度・分化型癌の大腸版で、IBD関連で問題となることの多い病変です。
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UCのLGD (初老の熊五郎)
2013-12-28 18:07:46
クッシー先生、はじめまして。
主にIBDの内科診療を担当している者です。
サーベイランスをしている病歴20年以上のUC患者さんですが、直腸のDALMとも言えない平坦粘膜領域の多数生検で、1ヶ所からLGDを指摘され、p-53とKi67とも陽性でした。臨床的にも難治性でしたので、既に癌が併存していても不思議じゃないと、手術を勧めたのですが同意いただけず、1年3ヶ月の間に3回フォローしました。
この提示症例を鑑みれば、組織異型が弱くても浸潤癌の可能性を否定しきれないと思い、今更ながら怖くなってしまいました。
直近の2013年11月は、4ヶ所生検の全てがLGDの診断で、p-53は1ヶ所で強陽性、3ヶ所は弱陽性、Ki67は4ヶ所全て明らかに高い標識率でした。
もっと強く手術を勧めるべきなのでしょうか?
※ 長文申し訳ございません。
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