UCの粘膜を背景とした隆起性病変です(DALMとよぶひともいます)。腫瘍性の腺管であることはわかりますが、異型性は軽度です。粘膜下層に浸潤していますから、globalにadenocarcinomaといえますが、腺管だけみてもcarcinomaというのは難しいです(腺管だけならLGDでしょう)。いわば胃でいう低異型度・分化型癌の大腸版で、IBD関連で問題となることの多い病変です。
最新の画像[もっと見る]
- ROMの病理組織所見, 自己免疫性胃炎(AIG) 5ヶ月前
- ROMの病理組織所見, 自己免疫性胃炎(AIG) 5ヶ月前
- パラフィンブロック全部乗せ【胃がんバイオマーカー検査】 6ヶ月前
- Claudin 18 (CLDN18) vs. Mucin (MUC5AC, MUC6) 6ヶ月前
- 胃がんバイオマーカー4点セット 8ヶ月前
- 増殖帯の輪切りと深切り切片(deeper sections) , Group 2からGroup 1へ 8ヶ月前
- 増殖帯の輪切りと深切り切片(deeper sections) , Group 2からGroup 1へ 8ヶ月前
- (A+B) - B = A. ~H. pylori除菌後に顕在化した自己免疫性胃炎~ 8ヶ月前
- 胃腺窩上皮型腺腫(gastric foveolar-type adenoma)と深切り切片(deeper sections) vs.連続切片(serial sections)。ラズベリー様ポリープ 9ヶ月前
- 胃腺窩上皮型腺腫(gastric foveolar-type adenoma)と深切り切片(deeper sections) vs.連続切片(serial sections)。ラズベリー様ポリープ 9ヶ月前
「大腸腫瘍」カテゴリの最新記事
- Unclassified serrated adenoma; tubulovillous adenoma to serrated tubulovillou...
- HER2-IHC:colorectal adenocarcinoma vs. stomach/EGJ-adenocarcinoma
- SSLD (sessile serrated lesion with dysplasia) その2
- SSLD (sessile serrated lesion with dysplasia)
- Clear cell change in colon adenoma, Clear cell adenoma
- Superficially serrated adenoma (SuSA)
- 大腸絨毛腺腫,villous adenoma
- rectum, carcinoid, NET, ly/v
- 鋸歯状腺腫、TSA、ECF
- SSAPのがん化ポテンシャル
主にIBDの内科診療を担当している者です。
サーベイランスをしている病歴20年以上のUC患者さんですが、直腸のDALMとも言えない平坦粘膜領域の多数生検で、1ヶ所からLGDを指摘され、p-53とKi67とも陽性でした。臨床的にも難治性でしたので、既に癌が併存していても不思議じゃないと、手術を勧めたのですが同意いただけず、1年3ヶ月の間に3回フォローしました。
この提示症例を鑑みれば、組織異型が弱くても浸潤癌の可能性を否定しきれないと思い、今更ながら怖くなってしまいました。
直近の2013年11月は、4ヶ所生検の全てがLGDの診断で、p-53は1ヶ所で強陽性、3ヶ所は弱陽性、Ki67は4ヶ所全て明らかに高い標識率でした。
もっと強く手術を勧めるべきなのでしょうか?
※ 長文申し訳ございません。