胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

十二指腸、胃上皮化生、ブルンナー腺、高麗大学(1)

2010-01-26 | 研究会、学会
 대한소화기내시경학회, 대한병리학회 소화기병리연구회(韓国消化器内視鏡医-病理医合同シンポジウム)がソウルの高麗大学であり、胃癌の話と十二指腸胃上皮化生の話をしました。
 H.pylori胃炎や高酸状態で十二指腸球部に胃上皮化生が多発します。1999年にHistopathology誌に胃上皮化生の組織発生にブルンナー腺の再生が関わることを報告しました。私の最も好きな仕事の一つですので、是非Histopathology 1999, 35, 38–43をご覧下さい。
【写真は十二指腸の潰瘍底で剥き出しになったブルンナー腺です。肉芽組織直下のブルンナー腺最表層にKi67陽性でMUC5ACを発現する胃腺窩上皮型細胞が生み出されています。私はこの部分をNeo-G zoneと言っています】
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 壁深達度、TNM分類第7版、胃... | トップ | 十二指腸、胃上皮化生、ブル... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shinmori)
2010-02-19 22:08:42
Dr Qussie お返事有り難うございました。
異所性胃粘膜は先天的なものと聞いたことがありH.pylori感染と逆相関があるのであれば矛盾するのではないかと思い質問させて頂きました。これからも質問させていただきたいのでよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (Dr Qussie)
2010-02-18 19:02:56
胃上皮化生によって、十二指腸粘膜が酸に対して防御的になるはずが、H. pyloriが同部に生息し慢性活動性十二指腸炎を起こしてしまいます。ご指摘のように、何故か、異所性胃粘膜のところにはH. pyloriが居ることは稀で、炎症もみられません。成因は過誤腫的なものなのでしょうが、私にはよくわかりません。胃の胃底腺ポリープにもH. pyloriがあまりいないのとよく似た現象ですが・・・。
日常の病理診断としては異所性胃粘膜と胃上皮化生をできるだけ区別したいと思っています。(表層のみの生検では難しいですが・・・)
返信する
質問です (shinmori)
2010-02-15 21:35:22
突然の質問で失礼いたします。
H.pylori胃炎で胃上皮化生が多いとのことですが異所性胃粘膜ではH.pylori陰性であることが多いと伺いました。
その理由と異所性胃粘膜の成因についてご教示願えますでしょうか。
返信する

コメントを投稿

研究会、学会」カテゴリの最新記事