皆様ごきげんよう。ブログのテンプレートを変更しました、黒猫でございます。
ホントはいつまでも夏気分でいたかったんですが、流石にこう寒くなっちゃ、ねえ・・・あーあ、さよならハイビスカス。
今日は久しぶりに本の感想・・・と言いたいところなんですが、今回の本は内容の感想というより訳者が変わったことへの戸惑いと不満になります。しかも読み終わったの結構前なんですが、どうしても書きたいので今日書きます。
『氷と炎の歌4 乱鴉の饗宴』(ジョージ・R・R・マーティン著、酒井昭伸訳 早川書房)
鉄の玉座を巡る争いは、若き狼王ロブの死により、ラニスター家が優位に立つことにとなった。婚礼の席で死んでしまった長男ジョフリーに代わり、次男のトンメンを玉座につけた摂政女王サーセイは、己の欲するままに権力をふるう。しかしサーセイの強引で他者を省みないやり方は、分身のごとくサーセイに力を添えてきた双子の弟ジェイムの心すら離反させてしまい・・・?
というようなお話。
既読者でさえ「なにこのあらすじ」と思うようなあらすじですいません(笑)。シリーズ4作目で、相当複雑な話なので、途中からの説明が難しいのです。ごめんなさい。でも絶対面白いので読んでみるべき作品です。
しかし今回わたしが書きたいキモは他にあるのです。
そう、翻訳者の変更。(岡部宏之氏→酒井昭伸氏に変更)
翻訳者の変更に伴い、主要登場人物の名称が変わってしまっていて非常に読みづらかったです。
ちょっと思いつくだけでも、
(旧) (新)
トンメン → トメン
ジェイム → ジェイミー
ケイトリン → キャトリン
デーナリス → デナーリス
ブリエンヌ → ブライエニー
とか。ただでさえ登場人物が多く、似た名前の人物が多いというのに、なんの断りもなく名前が変わっていて、本当に混乱しました。下巻の最後に訳者あとがきとしてそのわけが掲載されていたので、何故変更したのか、訳者の言い分はわかりましたが、読み終わったあとにこんなこと言われても。表紙を見て訳者さんが変わっているのはわかりましたが、登場人物名まで変わるとは思っていなかったよ。
最初のほうのどこか目立つところに「今回より訳者の変更に伴い登場人物や地名の訳称を一部変更しました」とか書いておいてくれてもよさそうなものです。これだけ変わってるんだからあってしかるべきです。つーか変更前と変更後の一覧表欲しいよ。
・・・と思っていたら早川書房の公式サイトに用語対照表が来てました。読み終わった身としては今更感が強いですが、これから読む人には必須です。ネット環境のない人のためにこれから売る分にはプリントしたものを挟んでほしいです。
どうやら前作までの訳者さんが疲労でこのシリーズの翻訳から引退したいということで、今回の交代になったようですが、まだまだ長く続きそうなシリーズなのに途中でこんな・・・まあ、長いシリーズだと訳者の交代はあるんでしょうが、名前の変更にどうしても馴染めません。これはみんな思っていることらしく、amazonのレビューとか某SNSとか2chSF板とか、どこに行ってもかなり不満が満載でしたね。2chSF板に至っては、この作品の翻訳問題専用スレッドが立っています。今ちょっと検索してみたら、wikiまであったよ。
旧訳での「夜警団」が<冥夜の守人>になっていたり「近衛騎士団」が<王の楯>になっていたり、他の訳語の変更も馴染めないなあ・・・。
訳者が代わって雰囲気が変わってしまうのはもうどうしようもないこととは思いますが、なんだかなあ。2chSF板などでは「原書で読んで脳内変換が一番」という意見が出ていましたが、そこまでの英語力はないですし。
各家の「銘言」が「標語」に変更されていたのはホントがっくりきました。標語てアンタ。「注意一秒怪我一生」みたいなアレですか。
あとロブの結婚式の惨事が<ちぬられた婚儀>という言葉になっているんですが、この「ちぬ」、読めません。変換候補にも挙がってこないし、明らかに常用漢字外かと。わたし初めて見たかも。そして書けないと思う(笑)。振り仮名は振ってありますが、他の単語にもたくさん振ってあるので(例:<王の楯>の横に「キングスガード」とか)なんか見ていてうるさい感じ。普通に「血塗られた」じゃダメなのか。何故ダメなのか。
この作品はハードカバーで出たあと既に文庫でも出版されているんですが、既出分は既訳どおりなんだろうし・・・この先どうすんのかなあ。
内容自体はとても面白かったですよ、ええ。でもあとがきで作者本人も言っていたように、意図的に一部の登場人物の状況がまったく語られなかったので、そこは不満。次作では今回出なかった人々の様子が語られるとのことなので、早く次の巻が読みたいです。
・・・訳、どうなんのかな。
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