机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

犬を飼う

2010-06-15 20:40:00 | 楽描き
忘れるているのである。
犬を飼っていた事をそして猫も飼っていた事も。
30年以上も前だろうか実家で雑種の子犬をもらった。

若い時から犬や猫を飼うのを嫌っていた母が急に飼うと言い出した。

子供の頃犬や猫をひろってくると元に戻してきなさいと、言う様な母だった。

余裕が出来たのか、若い頃、生きる事に精一杯だった母には新しい生き甲斐の様だ。

トムと名付けられた子犬はその後すくすくと育ち長寿をまっとうする。

トムの前はアンちゃんと、いう猫を飼っていた。
利口な猫だったが交通事故で亡くした。

谷口ジロー氏の「犬を飼う」にはタム(飼い犬の名前)の末期が丁寧に描かれている。

トムの時にもこの様だったと、後から聞いた。

子犬をもらった年に再起動すべく家を出たのだから最後をみとってはいない。

母は淋しいから犬を飼うと、言い出したのだろうか。

父はまた東京を目指してもいいんだぞ、と言ってくれたが、自分の才能に区切りをつけてS市に向った。

トムは帰郷する度に尻尾をふって出迎えてくれた。

やがて結婚して三人の子供を儲けた。

長男があの時の年令になた。

名作「犬を飼う」の奥付はこうだ。

1992年11月20日初版第一刷発行
小学館

この年に購入したかそうではないか、今となっては記憶がないが、長男が小学校に上がった頃だったろうか。

月日は無常に流れている。

母の万分の一の苦労しかしてないが我を忘れて生きてきた様な気がする。
音楽が好きだった事も忘れている。

スキーが好きだった事も忘れている。

マンガを読んだ事も忘れている。

「犬を飼う」を再読して、
涙がこみあげてきた。