以前に描いたものが不甲斐ないので描き直しました。
六十代の後半、病院の守衛をしていた。七十代後半の先輩は歩く度に屁を放っていた。一歩づつ歩く度にである。その音は優しく漏れている感じである。ああ、締まりがないのだと後ろを歩いていて感じた。
時が過ぎ、やがて自分も歩く度に、肛門から空気が漏れ出した。やがては自分も先輩のようになるのだろうと思ってはいたが、その時のように微笑ましくは思えなかった。自分の意志とは関係なく空気が漏れるのだ。
すれ違った看護師さんに気付かれなかったろうか。音といい臭いといい、気を引き締めても身体が緩んでいるのだ。これが歳を取るという事かと観念するが納得もいかない。屁も元気が無く、言う事も効かない。
絵はそういう事とは、まったく関係がない。志村立美画伯の絵をコピーした。
僕は常々、さいとうたかを先生のボンドとショーン・コネリーのボンドと合体させたボンドを描きたいと思っていました。それは中学の頃からで今まだ試みています。