ご存じ「怪傑ハリマオ」である。と言っても今の若い人にはわからないであろう。吾輩の幼少の頃の子供向けテレビドラマである。もちろん貧乏所帯の我家にはテレビなどは無く親戚の家へ毎週のように観に行ったのである。
夕方のご飯時に、図々しくお邪魔をして、時には飯まで御馳走になって、暗い夜道を帰るのである。今となってはドラマその物よりも、そういった思い出の方が先に立ってしまう。随分と世話になった訳で、今思うと申し訳なく思う。
当時のテレビは高価で、有る家は裕福だったのだ。子供ながらに格差は自覚していたが、ひがみや劣等感よりもテレビ観たさが勝って、勉強そっちのけで他人様の家を訪問していた。
親戚とは今では疎遠で、おじさんやおばさんも亡くなっているし、従兄妹も遠い場所に居る。なんの御礼をせずままに時間だけが過ぎてしまったわけだ。時々連絡を入れてみようかと思うがあの頃の侘しさが先に立ち億劫になってしまう。
長い貧乏暮らしが染みついてか、自分はあまり身なりなどは気にしないし、家の周りも草が生えっ放しで、ある時などは家の前のゴミは拾うようにと、回覧板で注意をされた事がある。自分は身体の部品が足りないのかも知れない。
さて絵であるが、片づけをしていたら下絵が出てきた。日付を見ると2021の六月とある。記憶を辿ると勤め先の弁当の合間にでも描いたのであろう。その時も幼少の頃を思い出して描いたのであろうか。貧乏とヒーローは紐付けになっている。
下絵は相当にラフで、ろくに直しもせずにペン入れをした。もちろん何の資料も見ずに記憶で描いているので、大部印象が違うが、当時に登場したキャラクターを一つ一つ頭の中から掘り起こしていった。
ハリマオ。数あるヒーローの中でも一番のお気に入りかも知れない。他のナントカ仮面よりも一番に現実味のあるヒーローだと子供心に思っていた。事実、本当に存在していた人をモデルにしていたのだ。所謂、未帰還兵のひとりなのだ。
後に横井さんや小野田さんがジャングルから出てきた報道を見た時に、この人達もハリマオだと思った。強い信念で過酷なジャングルで生きてきたのかと思うと、自分の中では彼等もまたヒーローだと思った。
今見ると、ハリマオのポーズが凄い事になっている。これでは完全に撃ち負けている。悪漢の銃の方が先に火を吹くであろう。出会い頭に遭遇したのか、当時はそういう想定で描いたのであろうか。
後ろの女性二人はペン入れの時に後から足した。構図的にはハリマオと少年ふたりだけの方が良いかもしれないが、賑やかにしたかった。
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