川窪書店を辞して国道52号線を北上、しばらく右手に富士川の悠々たる流れを見つつ、鹿島橋を過ぎてまもなくの鬼島地区で左の脇道に入りました。そのまま宅地の中の坂道を登って、上図の鰍沢中部小学校の跡地に着きました。車を回してバックで敷地内に入れました。時刻は14時12分でした。
現在は北の鰍沢中心街にある鰍沢小学校に移転統合されて廃校となっています。が、上図のようにまだ新しい立派な校舎であるので、閉鎖状態のまま、富士川町教育委員会の管理下に置かれているようです。
この学校跡が、ゆるキャンの劇場版にて犬山あおいが教師を務める学校のモデルとなって外観もそのままに登場しています。さらに劇場版キービジュアルポスターの犬山あおい版はこの校舎の内部を舞台としています。それで一躍、ゆるキャン聖地の一つに加わりまして、私が訪れてしばらく経った後に、ファン向けに校舎内部を公開するイベントも行われています。
グラウンドの片隅にある閉校記念碑です。いまや日本中の各地で廃校になった小中高の学校校舎を見かけるようになりましたが、つまりは少子化および地域の衰微化が目に見えるほどになってきている、ということです。
そういえば、ゆるキャンの聖地中の聖地である本栖高校も、実際には廃校になった下部中学校の敷地をモデルにしています。現役の学校をモデルにした場合よりは聖地巡礼者の来訪時のトラブルが無くて良い、という利点もありますが、地域創生および地方再編の観点からすれば、廃校が増えるのはあまり良い事ではありません。その地域の人口が減って若い人が居なくなっている、という傾向を証明しているからです。
なので、ここ鰍沢中部小学校の校舎も、御覧のとおりまだまだ使用出来そうなのに、現地の子供たちが減少してゆく状況に耐えられずに移転統合の運びとなったわけです。
この校舎が建ったのが昭和60年なので、35年余りが経過していることになりますが、全国の小中学校施設の施設の大半が昭和50年代の建築で多くが現役でありますから、ここの建物は新しいほうに属します。私の出身校の小中高のいずれも建物はもっと古い時期の建設になりますが、現在も現役です。
校庭の様子です。平成26年の移転閉校から10年になろうとしていますが、御覧の通り、荒れているでもなく寂れている雰囲気でもなく、現役のグラウンド施設と大して変わらない状況です。定期的にメンテナンスがなされているのか、それとも地域のイベント等で不定期に使用されていて人々が入っているか、のいずれかでしょうか。
このあたりの遊具類もゆるキャン劇場版に登場していたように思います。私自身は劇場版のほうはあまり感動しなかったので、視聴も一度で終わっていて、内容もいまでは忘れかけています。個人的には主要キャラクターが本栖高校の野クルメンバーと準メンバー、という世界観のほうが好きなので、彼女たちが社会人になってからの物語にはあまり魅力を感じないのです。
なので、劇場版の聖地であるこの学校施設には、たまたま移動ルートの途中にあるのでついでに立ち寄った、というのが実態でした。
この廃校跡は現在も状態が良いようなので、もしかしたら下部中学校跡のようにゆるキャンイベントの会場に供されて、校庭キャンプとかが開催されていったりする流れになるかもしれません・・・。
いまやアニメ聖地というのは、地域振興や観光行政の重要な素材として全国的に見直されてきている傾向がありますから、各地でアニメ聖地をとりあげて人寄せを図る所が少なくありません。山梨県では既に県をあげてゆるキャンを後援し様々なイベントを仕掛けていますから、地元富士川町としても、今後何らかの動きを見せてくるかもしれませんね。
校舎中央の向かって右寄りにある上図の半円形の張り出し部分は、内部が階段およびワークスペースになっています。その内部が、劇場版キービジュアルポスターの犬山あおい版の舞台になっています。熱心なファンは内部も見たがるようですが、私は外観を見ただけで充分でした。なぜならば、私の出身の小中学校にもほぼ同じ造りの部分があって内部も似ているからでした。 (続く)