昼食休憩の後、次の列車の時刻14時43分までの約10分間、三ヶ日駅のホームに入って駅舎や施設や構内線路などを見物しました。子供の頃に毎年何度も乗り降りした駅であるにもかかわらず、ほとんど記憶がありませんでしたので、今回見た景色は初めて同然のものでした。
駅のホームは2面3線の形式ですが、一番向こうの3番線はあまり使用されていないようで、レール天面に錆が浮いていました。かつてはトロッコ列車「そよかぜ号」が休日限定で3番線に停まっていたのですが、2007年に車輌の故障か何かの事情で運行中止になったと聞きます。
駅舎の深い軒が改札口からのホーム部分をカバーしています。この形式は戦前の木造駅舎にはよくみられますが、構造上、老朽化してくると屋根が下がったりするので、軒下に支持柱を追加してなんとか持ちこたえています。
駅舎そのものは、昭和十一年開業以来の建物で国の登録有形文化財に指定されていますから、補修なり改変なりの工事には文化庁の許可が必要です。さらに建て替える場合は、文化財指定が解除となって一切の補助金措置も無くなりますので、建物を今後どう維持してゆくかは、所有者である天竜浜名湖鉄道さんの判断如何にかかっています。
本線から北には駅舎の東側に入る引き込み線があります。国鉄時代の昭和59年まで荷物の取扱いを行なっていたそうなので、この引き込み線は荷物取扱いのヤードだったのかもしれませんが、現在は線路のみが残されて作業用車輌の駐機に使われています。
駅舎の建物は最低限の補修だけで今まで続いているようですが、ホームのほうはかさ上げと路面舗装の改修が行われていて新しい感じになっています。
ここまで見て撮ったところで、次の列車のアナウンスが拡声器より流れました。それで反対側の新所原行きのホームへ移動しました。
まもなくやってきた次の列車です。ゆるキャン車輌でした。
これに乗るのがこの日の巡礼行動の最大の目的でしたから、事前に時刻表をチェックして、新所原までのゆるキャン車輌のダイヤを抽出し、それをもとにしてこの日の巡礼ルートを設定しておきました。最低でも2回乗れれば良い、という前提での計画でしたが、前述のように浜名湖佐久米駅への乗り降りをパスしましたから、そのぶん余裕あるスケジュールになりました。
三ヶ日駅から乗ると、このように掛川駅や天竜二俣駅ではなかなか見られない、車輌の南側のデザインを間近に見ることが出来ます。
天竜浜名湖鉄道の殆どの主要駅のホームが相対式ホーム2面2線なので、乗って利用している時でもほとんどは片側のデザインしか見られないことになりますが、三ヶ日駅の下り線はホームの両側に2線が通る形式なので、両側のデザインを間近に見られます。そのことも計算しての、今回のゆるキャン車輌乗車スケジュールでありました。
このように、南側の乗降口の閉まった状態でのデザインが、なかなか撮る機会がないので、撮れたらラッキーです。
このアニメ版の三人の夜景見物の場所は、現在は撤去されてしまった奥浜名湖展望公園の展望台ですが、ドラマ版では三ヶ日にある三ヶ日高山ふれあいの森の展望台がロケに使用されています。
この14時43分発の列車に乗り、新所原へ向かいましたが、ほとんど居眠りしていたので、途中の景色はあまり見ずに終わりました。
15時3分、終点の新所原駅に着きました。ガタンと揺れて停車したので目が覚め、慌てて降りて上図の写真を撮りました。
降りる際に乗降口から車内を撮りました。
掛川方面の前面を撮影。
新所原方面の前面を撮影。どこでもどこから撮っても絵になるゆるキャン車輌です。何度撮っても飽きません。
隣のJR新所原駅の通廊からも撮りました。毎回このアングルで撮っています。
デジカメの望遠モードで撮りました。現時点では運行期間が2023年9月30日まで延長されているとの事なので、この夏にもまた乗ろうと思えば乗れるわけです。
ですが、さらなる運行期間延長が有り得るかもしれません。車輌本体はまだまだ支障なく稼働しているということですし、ラッピングのほうもやや色あせ気味にはなっているものの、外装も内装も全然損傷がなく、大洗ガルパン車輌の赤錆と剥落だらけの酷いボロボロ状態とは雲泥の差があります。大洗ガルパン車輌は今年度内に運行を終了するそうですが、とにかく見るにしのびない状態でしたから、運行終了は至極当然の帰結かと思います。
ゆるキャンに関しては、すでにアニメ3期が決定していて、ストーリーの大半の舞台は大井川鐡道になると思われます。同じ静岡県内で、近接する鉄道会社である天竜浜名湖鉄道が、そのアニメ3期スタート後からの大勢の巡礼者たちへの対応策を全く考慮していない筈はありません。
もし、ゆるキャン車輌の運行期間を再延長すれば、大井川鐡道エリアへの聖地巡礼ムーブメントの波及効果が得られます。掛川を連絡ポイントとしての大井川鐡道および天竜浜名湖鉄道のダブルゆるキャン巡礼が楽しめる筈です。現時点で本格的なゆるキャンラッピング車輌は天竜浜名湖鉄道にしか存在しませんから、そのインパクトは依然として大きいです。
仮にアニメ3期スタート後にも天竜浜名湖鉄道のゆるキャンラッピング車輌が運行継続していれば、全国からの巡礼ファンは大井川鐡道エリアと併せて天竜浜名湖鉄道のゆるキャン聖地にも向かう筈です。そのムーブメントによる収益、沿線への経済効果は、運行終了した場合に比べれば格段の差がつくと思います。
以上の推測をふまえて、個人的には天竜浜名湖鉄道のゆるキャン車輌の運行期間延長はあと一回は有り得るのかもしれない、と思います。
アニメ3期のスタートについてはまだ何も公表がありませんが、1期も2期も1月スタートであった経緯を顧みれば、おそらく来年2024年の1月ではないかと推測しています。現段階の2023年9月30日から3ヵ月後なので、半年程度の再延長があれば、大井川鐡道エリアとのコラボ効果は充分に見込まれるだろうと推測します。天竜浜名湖鉄道さんの更なるご英断に期待したいところです。
以上で、「ゆるキャン△の聖地をゆく30」の記述を完了し、2023年1月の三回目の天竜浜名湖鉄道巡礼編として括ります。次の巡レ礼ポートは、舞台を山梨県に移します。
なお、目次においては、今回の記事までを(「ゆるキャン△」の目次 その二)に括り、次の巡礼レポートからの記事は(「ゆるキャン△」の目次 その三)に収録します。 (了)