2023年の5月に、聖グロリアーナ女学院チームのクルセイダーMk.Ⅲを続けて3輌製作しました。ローズヒップの1号車をボーダーモデルのキットで、クランベリーの2号車をタミヤのキットで作りました。そして今回のピーチの3号車を、上図のイタレリの古いキットで作りました。
仕上がった状態です。今回のイタレリキットでの製作は、砲塔のライトの位置調整をのぞいてストレート組みとしました。ボーダーモデルのキットを劇中車仕様に可能な限り近づけ、タミヤのキットを目立つ箇所のみ劇中車に合わせる方針で作りましたので、それらとの比較検証の観点から、キット素組みの出来栄えがどのようになるかを試してみた形です。
そのため、劇中車仕様との差異、主な相違点がよく捉えられるようになり、3両を並べても容易に見分けがつきます。
主な相違点は三つ挙げられます。劇中車仕様に仕上げるにあたっては優先的に改修すべき三つのポイントでもありますが、その一つは、上図の予備履帯の有無です。イタレリのキットをストレートに組むとこのように予備履帯が装備されますが、劇中車は予備履帯を装備しないので、その4本の留め棒だけが見える状態になっています。
相違点の二つ目は、砲塔天板前面のベンチレーターの位置です。実車と同じく上図の位置にあり、これはボーダーモデルやタミヤのキットでも同じですが、劇中車は中央寄りの位置にあって、パッと見た感じでは中央にあるようにも見えてしまいます。最も目立つ劇中車仕様のポイントでもあり、元の位置にある場合と見比べると印象がかなり異なります。
相違点の三つ目は、後部左右のボックスのハッチの向きです。実車もキットもこのように左右のハッチの向きが逆になりますが、劇中車は向きを揃えていますので、モールドを削ったりプラ板を貼ったりするなどの改造が必要になります。今回のイタレリのキットはストレート組みですので、上図のハッチの状況もそのままで、実車準拠です。
さらに細かい箇所で色々と劇中車特有の形がみられますが、今回のイタレリのストレート組みの姿と比較すれば、さほどに目立たないのも事実です。上図のような仕上がりですが、それで充分にガルパンの車輛の雰囲気が味わえます。
なので、ほぼ劇中車仕様に合わせてあちこち改造したボーダーモデルのキットと並べてみても、全体の雰囲気にはあまり変化が感じられないな、という感想にまとまってしまいます。それほどに、キットとしての出来がもともと良い製品であるのだな、と再認識させられました。
ストレート組みの状態も、御覧のようになかなかの雰囲気です。手直ししたのは砲塔のライトの取り付け位置だけで、これだけは調整しないと横に校章マークのデカールが貼れません。
なお、実際のカラーはもっとグレー風味ですが、撮影時のライティングの関係で全体的に青っぽくなってしまいました。
こちらが実際のカラーで写っています。メインライトの位置を高めにして、サプライトをそのやや手前から当てることによって、背景の青色の影響をおさえて車輛を浮かび上がらせてみた結果です。アニメの劇中車は場面によって青味が増した感じになっていますが、あれは陰になっている部分を濃く表した結果であろう、と思います。
以上で、聖グロリアーナ女学院チームのクルセイダー3号車(ピーチ車)がキットのストレート組みにて完成しました。製作期間は2023年5月28日から5月30日までの3日で、組み立てに2日、塗装および塗装後の組み立てとデカール貼り付けに1日かかりました。
今回の製作は、ボーダーモデル、タミヤ、イタレリの3つのキットを比較検証のために連続で製作したうちの3番目にあたり、基本的にストレート組みで作りました。デカールの貼り位置の関係で、砲塔の前照灯の位置変更だけを施しました。
キットはイタレリの古い製品で、パーツが一部欠けていたため、タミヤカスタマーよりパーツを取り寄せましたが、下部車体パーツ以外の全てのパーツがパッケージされているイタレリ製品のままで届いたため、もともと段差があって修正が必要だったフェンダーのパーツも改修後のそれを使うことになり、結果的にはタミヤのキットを作ったのとほぼ変わらない仕上がりとなりました。パーツの合いも上々で、普通に組み立てても綺麗に仕上がります。ガルパンのクルセイダーの適応キットとしてもおすすめです。