[香港 28日 ロイター] - 中国の厳格な「ゼロコロナ」政策と自由の制限に対する抗議活動に連帯する動きが海外に広がり、世界の少なくとも12都市で抗議集会などが開催された。
ロイターの集計によると、ロンドン、パリ、東京、シドニーを含め、欧州、アジア、北米の各都市で国外居住の反体制派や学生によって小規模な集会や抗議デモが行われた。
ほとんどが数十人規模だが、100人以上集まったものもあった。
国内外の中国人が怒りで連帯するのは異例だ。
中国が28日発表した新型コロナウイルス新規感染者が5日連続で過去最多を更新した。
週末には厳しいコロナ規制に対する抗議活動が各地で行われ、10年前の習近平体制発足以降見られていなかった異例の光景が広がった。
約200人が参加した27日のパリでのデモを主催した大学院生のチアン・シータさんは「中国の多くの市民や学生が街頭に立つのを見て感じたのは、彼らは私たちよりも多くを背負っているということだ」と指摘。
今こそ海外から支持を表明すべきと思ったと語った。
27日に新宿に集まった約90人のうち、エマニュエルと名乗る北京出身の大学生は、中国でコロナ規制に対する抗議デモがあれば共産党への非難が集中するのは必然だと指摘。
「その中核にあるのは中国のシステムだ」と語った。
中国外務省の報道官は28日の定例記者会見で、同国のゼロコロナ政策を終わらせるよう求める国外での抗議活動を把握していないと述べた。
中国国営メディアや政府報道官はこれまでのところ、国内での抗議活動について公式コメントを出していない。
米国家安全保障会議(NSC)の報道官は28日、「われわれは長い間、米国でも世界でも、誰もが平和的に抗議する権利を持っていると述べてきた。これには中国も含まれる」とし、米国は中国で国民が平和的に抗議する権利を支持すると述べた。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報道官は電子メールで「国際人権法と基準に沿い抗議に対応するよう」当局に促し、社会全体で幅広い議論を可能にすることが「公共政策形成の一助となり、理解が深まり、最終的により効果的になることを確実にする」という認識を示した。