あんなに小さかったそらネェが、あっという間に進路を控えた受験生となった。
多少の反抗期はあったし、それなりに思春期を迎えてはいる。
でも、児童養護施設職員としてそんな年頃の子たちと長年向き合ってきたボクにとっては、なんてコトもない。
想定内だし、かわいいもんだ。
頭ごなしにモノを言わないし、理解はするけれど、現実は伝えるし、ダメなコトはダメだと毅然と対応できる。
それが父ちゃんってもんだ。
さて、高校生活に憧れるそらネェの口ぐせは「女子高生は…」である。
女子高生は〜着る、〜着ない。
女子高生は〜する、〜しない。
女子高生は痩せる!?
とにかく華々しい女子高生デビューに向けて頭が一杯なのである。
メイクとかはまだだけど、ジャンプーリンス、化粧水とかお肌や髪の毛の手入れにこだわり始めている。
まぁ健全だろう。
そんなそらネェが憧れてやまないのが本格的なスマホデビューである。
本格的な…というのは、今も安いスマホは持っており、特に問題なく、むしろ上手に使えている。
それなりに依存はしているけれど、自制は出来ているし、対人トラブルもないし、勉強だってきちんとしてる。
だから別に心配はない。
そんな彼女が欲しいのは、アップル社のアイフォン(以下🍎)なのである。
女子高生はみんな🍎なんだってばー。
🍎じゃない女子高生なんていないのー。
そんなコトはないと思うけどそう言い切る。
しかし残念ながら、ボクは昔から世間の流行りには流されにくく、一番人気に抵抗を示す傾向がある。
トヨタ、ドコモ、巨人、G-SHOCK…といった最大手や定番も可能な限り受け入れずに生きてきた。
好きなプロ野球チームは阪神タイガース。
時計は10代からずっとTIMEXである。
車は不人気車を乗り継ぎ、今はプジョーだ。
当然、🍎への憧れなんてないし、スマホ代に大金を払うのがバカバカしいと思っている。
なので、我が家ではアンドロイドの格安スマホを使っている。
Wi-Fiを活用しているとはいえ、ボクのスマホの利用料月額900円である。
それにガラケーのかけ放題で2000円ちょっと。
大手を使うのより半額以下だ。
女子高生は…とか、今時の…とか、みんな…とかそういう説得には応じない面倒くさい父親なのである。
いや、こだわりを持っていて、合理的だと自負している。
てか最新🍎だと10万くらいする。
高っ。
毎月の使用料だって7000円とかする。
ムリムリーーー。
🍎には、我が家の敷居をまたがせる訳にはいかないのだー!
顔を合わせる度に挨拶のように笑顔で「🍎」と口にするそらネェ。
進路を絡め、「〜を諦めたんだから🍎」と口にする。
でもボクはそんなコトでは落とせない。
その都度、「🍎欲しいんだね」と繰り返す。
これは仕事で得たテクニックの一つで、拒否はされていない印象を与えるのである。
🍎🍎🍎…
女子高生に🍎は必需品であり、ゲット出来るかは死活問題なのだろう。
🍎🍎🍎…
わかる、すごくわかる。
でも、ボクという壁はそんなに容易いものではない。
🍎🍎🍎…
だから無理だってばー。
そんなやりとりを数カ月繰り返した。
🍎🍎🍎…
ところで、青森県と長野県で育ったボクは🍎と共に生きてきた。
🍎=🍎
🍎にはお世話になってきたなぁ。という訳で、我が家に🍎上陸(笑)
一つ型落ちだけど7万もする中古🍎をゲットしてあげた。
ボクという壁は自分が思っていたより、もろく、甘かった(笑)
そして🍎愛が強かった。
まぁいっか。
ようこそ🍎
父親とは娘に甘いものだ。
※SIMは格安スマホのものを使う予定
娘さんへの愛情にとても気持ちを癒されました。
勝手ながらフォローさせていただきます。
応援してます🌸