海の近くに住んでいる私にとって、夏は海とばかりにほかの被写体に目移りせず、岬や海岸や港の風景を掲載してきました。
「岬の風景」も中途半端で、まだ半分近く残っています。
気分転換のため、初めて風景写真、旅写真から離れますが、私のささやかな趣味のひとつでもあった映画の話を、少し取り上げてみます。
まずは日本映画のベスト10ですが、画像を入れるため、私がDVDを持っている作品に限定しています。
作品名、監督、脚本(私は脚本を重視しています)、音楽、主な出演者のみ記載しています。(名前の敬称は略しています)。
もちろん、むずかしい論評などは到底できません。
素人なりに、いろいろな思いや感想など少しは入れましたが、出来るだけ短くしました。
映画の好みは人それぞれで、十人おれば十様のベスト10があるでしょう。
私の持っているDVDの中での、今のところのベスト10をご覧ください。
もとより、新しい映画はありません。
①「七人の侍」 監督・黒澤明 脚本・黒澤明ほか 音楽・早坂文雄 出演・三船敏郎 志村喬 木村功 津島恵子
普通の映画の3、4倍ものエッセンスが詰まったダントツの一位。外国映画も含めて、この映画を超える作品がいまだに出てこないのが残念。ただ黒沢映画の例にもれず、録音が悪く台詞が聞き取りにくいので、岩波書店から出ている「黒澤明シナリオ全集」などが必要。早坂のダイナミックな音楽は秀逸。
②「幸福の黄色いハンカチ」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか 音楽・佐藤勝 出演・高倉健 倍賞千恵子 桃井かおり 武田鉄矢
山田監督作品のベスト作。何回見ても、黄色いハンカチが空いっぱいに広がる風景は、二人の若者といっしょに声をあげて喜びたい気持ちになる。高倉、倍賞コンビによる、姉妹編の「遙かなる山の呼び声」も中年男女のロマンとメルヘンの映画と割り切れば楽しめる。
③「用心棒」 監督・黒澤明 脚本・黒澤明ほか 音楽・佐藤勝 出演・三船敏郎 仲代達矢 司葉子
痛快無類の娯楽時代劇映画。続編の「椿三十郎」は、いくら娯楽映画とはいえ大量殺戮もそこまで行ってはダメという駄作。
④「切腹」 監督・小林正樹 脚本・橋本忍(原作・滝口康彦) 音楽・武満徹 出演・仲代達矢 三國連太郎 岩下志麻 石浜朗
武士社会の矛盾、偽善、不条理を描いた。「用心棒」とは正反対の位置にある内容の重い作品。仲代は映画封切り時、29歳。8歳違いの岩下、3歳しか違わない石浜の父親役を演じるなど、大貫禄ぶりを見せる。小林監督、滝口康彦原作の「上意討ち(拝領妻始末)」と同じようなテーマ。
↓値段が入っていますが、これが取り外し出来ません。
⑤「二十四の瞳」 監督・木下恵介 脚本・木下恵介(原作・壺井栄) 音楽・木下忠司 出演・高峰秀子 笠智衆 月丘夢路
二十四の瞳を持つ12人の子どもたちプラス、その兄弟姉妹を含めて24人、すべて現地の小豆島で募集して作られた。どこかの名画座でリバイバルを見た。昔も今も涙なしでは見られない永遠の感動作。
⑥「鉄道員(ぽっぽや)」 監督・降旗康男 脚本・降旗康男ほか(原作・浅田次郎) 音楽・国吉良一(主題歌作曲・坂本龍一) 出演・高倉健 大竹しのぶ 小林稔侍
浅田次郎原作の幻想的物語を見事に映画化した。坂本龍一作曲の最後の主題歌もいい。
⑦「息子」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか(原作・椎名誠) 音楽・松村禎三 出演・三國連太郎 永瀬正敏 和久井映見
椎名誠の短編小説「倉庫作業員」を山田が3倍以上に膨らませている。父と息子、都会と農村、ハンディキャップを持った女性との恋。
⑧「故郷」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか 音楽・佐藤勝 出演・倍賞千恵子 井川比佐志 渥美清 笠智衆
高度成長の波にのまれ、美しい瀬戸内海の小島・故郷を捨てなければならない夫婦を描いた。渥美清演じる味わい深い魚の行商人が、渥美清の人物そのもののように思えてくる。加藤登紀子が歌う挿入歌「風の舟唄」は佳曲。
⑨「たそがれ清兵衛」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか(原作・藤沢周平) 音楽・富田勲 出演・真田広之 宮沢りえ
山田作品としてはもっと上位に上がってくるべきだが、ラストの藩命を受け、自らと家族の命を背負ってやってきた清兵衛と敵役との悠長なやりとりが大きな違和感となって残る。富田勲の叙情的なすばらしいテーマ曲を差し置いて、最後に井上陽水の歌を持ってきたのも、後味が悪い。
⑩「その木戸を通って」 監督・市川崑 脚本・市川崑ほか(原作・山本周五郎) 音楽・谷川賢作 出演・中井貴一 浅野ゆう子 フランキー堺
幻想的な周五郎作品の待望の映画化。エンドが周五郎作品とは違うのが、最大の欠点。大昔、NHKで仲代達矢と新珠三千代のコンビでドラマ化されたことがあるが、これはほぼ原作に忠実だったと記憶している。どうして原作の持つ余韻を消して、よけいなことをしてしまったのか悔やまれる。
やはり私の好きな、山田洋次監督作品が4本も入ってしまいました。
しかし数多くの候補の中から、10本に絞り込むのはしんどい作業です。
次回は、外国映画ベスト10の予定です。
「岬の風景」も中途半端で、まだ半分近く残っています。
気分転換のため、初めて風景写真、旅写真から離れますが、私のささやかな趣味のひとつでもあった映画の話を、少し取り上げてみます。
まずは日本映画のベスト10ですが、画像を入れるため、私がDVDを持っている作品に限定しています。
作品名、監督、脚本(私は脚本を重視しています)、音楽、主な出演者のみ記載しています。(名前の敬称は略しています)。
もちろん、むずかしい論評などは到底できません。
素人なりに、いろいろな思いや感想など少しは入れましたが、出来るだけ短くしました。
映画の好みは人それぞれで、十人おれば十様のベスト10があるでしょう。
私の持っているDVDの中での、今のところのベスト10をご覧ください。
もとより、新しい映画はありません。
①「七人の侍」 監督・黒澤明 脚本・黒澤明ほか 音楽・早坂文雄 出演・三船敏郎 志村喬 木村功 津島恵子
普通の映画の3、4倍ものエッセンスが詰まったダントツの一位。外国映画も含めて、この映画を超える作品がいまだに出てこないのが残念。ただ黒沢映画の例にもれず、録音が悪く台詞が聞き取りにくいので、岩波書店から出ている「黒澤明シナリオ全集」などが必要。早坂のダイナミックな音楽は秀逸。
②「幸福の黄色いハンカチ」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか 音楽・佐藤勝 出演・高倉健 倍賞千恵子 桃井かおり 武田鉄矢
山田監督作品のベスト作。何回見ても、黄色いハンカチが空いっぱいに広がる風景は、二人の若者といっしょに声をあげて喜びたい気持ちになる。高倉、倍賞コンビによる、姉妹編の「遙かなる山の呼び声」も中年男女のロマンとメルヘンの映画と割り切れば楽しめる。
③「用心棒」 監督・黒澤明 脚本・黒澤明ほか 音楽・佐藤勝 出演・三船敏郎 仲代達矢 司葉子
痛快無類の娯楽時代劇映画。続編の「椿三十郎」は、いくら娯楽映画とはいえ大量殺戮もそこまで行ってはダメという駄作。
④「切腹」 監督・小林正樹 脚本・橋本忍(原作・滝口康彦) 音楽・武満徹 出演・仲代達矢 三國連太郎 岩下志麻 石浜朗
武士社会の矛盾、偽善、不条理を描いた。「用心棒」とは正反対の位置にある内容の重い作品。仲代は映画封切り時、29歳。8歳違いの岩下、3歳しか違わない石浜の父親役を演じるなど、大貫禄ぶりを見せる。小林監督、滝口康彦原作の「上意討ち(拝領妻始末)」と同じようなテーマ。
↓値段が入っていますが、これが取り外し出来ません。
⑤「二十四の瞳」 監督・木下恵介 脚本・木下恵介(原作・壺井栄) 音楽・木下忠司 出演・高峰秀子 笠智衆 月丘夢路
二十四の瞳を持つ12人の子どもたちプラス、その兄弟姉妹を含めて24人、すべて現地の小豆島で募集して作られた。どこかの名画座でリバイバルを見た。昔も今も涙なしでは見られない永遠の感動作。
⑥「鉄道員(ぽっぽや)」 監督・降旗康男 脚本・降旗康男ほか(原作・浅田次郎) 音楽・国吉良一(主題歌作曲・坂本龍一) 出演・高倉健 大竹しのぶ 小林稔侍
浅田次郎原作の幻想的物語を見事に映画化した。坂本龍一作曲の最後の主題歌もいい。
⑦「息子」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか(原作・椎名誠) 音楽・松村禎三 出演・三國連太郎 永瀬正敏 和久井映見
椎名誠の短編小説「倉庫作業員」を山田が3倍以上に膨らませている。父と息子、都会と農村、ハンディキャップを持った女性との恋。
⑧「故郷」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか 音楽・佐藤勝 出演・倍賞千恵子 井川比佐志 渥美清 笠智衆
高度成長の波にのまれ、美しい瀬戸内海の小島・故郷を捨てなければならない夫婦を描いた。渥美清演じる味わい深い魚の行商人が、渥美清の人物そのもののように思えてくる。加藤登紀子が歌う挿入歌「風の舟唄」は佳曲。
⑨「たそがれ清兵衛」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか(原作・藤沢周平) 音楽・富田勲 出演・真田広之 宮沢りえ
山田作品としてはもっと上位に上がってくるべきだが、ラストの藩命を受け、自らと家族の命を背負ってやってきた清兵衛と敵役との悠長なやりとりが大きな違和感となって残る。富田勲の叙情的なすばらしいテーマ曲を差し置いて、最後に井上陽水の歌を持ってきたのも、後味が悪い。
⑩「その木戸を通って」 監督・市川崑 脚本・市川崑ほか(原作・山本周五郎) 音楽・谷川賢作 出演・中井貴一 浅野ゆう子 フランキー堺
幻想的な周五郎作品の待望の映画化。エンドが周五郎作品とは違うのが、最大の欠点。大昔、NHKで仲代達矢と新珠三千代のコンビでドラマ化されたことがあるが、これはほぼ原作に忠実だったと記憶している。どうして原作の持つ余韻を消して、よけいなことをしてしまったのか悔やまれる。
やはり私の好きな、山田洋次監督作品が4本も入ってしまいました。
しかし数多くの候補の中から、10本に絞り込むのはしんどい作業です。
次回は、外国映画ベスト10の予定です。
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