その時、私は会社の3階のある部屋に一人でいた。
突然床が大きく横揺れし、立っていることができずしゃがみ込んだ。
揺れはなかなか止まらず、ずいぶん長く感じた。
約15分後の15時から感染研のT先生の講演会が予定されていたが、少し遅れて始まった。
講演中も何度か余震で揺れたが、それでも無事に終えることができた。
帰宅してテレビで、今まで見たことのない津波の光景に驚愕した。
あの時から10年を経過した。
今でも津波さえなかったらと思うが、これも現実の自然災害である。
しかし東電の原発事故は自然災害ではなかった。
災害後、新潟県には9000人超えの人々が避難したが、現在でも2000人以上の人々が故郷に帰れずにいる。
中には本県の東電原発がある柏崎に避難された方もおり、思いは複雑であろう。
本県にある東電柏崎刈羽原発も事故が多いように思う。
以前はボヤ火災が続いた。最近も安全対策工事の未完成が再び発覚した。
先日は所員が他人のIDカードで中央制御室に不正入室した。
あまりにも事故が多い。毎月何らかの問題を起こしている。
まるで素人の人たちの集団のようにさえ思われ、到底会社としての態をなしていないように見える。
この震災の20日後に私は会社を定年退職した。
その後、縁あって福島の専門僧堂に入ったが、そこから訪れた飯館村などで除染で出た土を入れた黒い袋がたくさん積まれているのをあちらこちらで見た。
飯館村役場の方が言っていた言葉は忘れられない。
「スズメもカラスもいなくなった。イノシシが運動会をしている。」と嘆いていた。
世界各国に原発は存在している。これらは大丈夫なのだろうか。
映画「猿の惑星」のラストシーンが思い浮かぶ。
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