気象庁は1日、北日本から西日本の1月の平均気温が平年より1.2~0.5度低かったと発表した。2月も寒気が流れ込み、気温の低い状態が続く見通し。このため、沖縄を除き、冬(12~2月)の平均気温が平年を大きく下回り、「平成18年豪雪」に見舞われた05~06年冬以来6年ぶりに全国的な「寒冬」になる可能性が高まっている。
気象庁によると、1月の平均気温は北日本(北海道、東北)が平年より1.2度低く、東日本(関東甲信、北陸、東海)でも0.9度、西日本(近畿、中国、四国、九州)も0.5度下回った。12月も平年に比べ北日本は1.1度、東日本が0.8度、西日本も0.6度低く、2カ月連続で低温となった。
2月はシベリア上空からの寒気に加え、ベーリング海上空の寒気も流れ込む見通し。気象庁は8日ごろからの1週間の平均気温がかなり低くなるとして、北海道には「異常天候早期警戒情報」を出している。暖冬が続いた90年以降で、全国的な寒冬は05~06年冬の1回しかなく、今冬はここ20年でも有数の寒さとなっている。
寒さの影響で野菜や果物の生育が滞り、価格が上昇している。農林水産省によると、東京都中央卸売市場では1月31日現在、平年比でダイコン152%、白菜136%、ホウレンソウ125%。卸売り大手の東京青果(東京都大田区)は「露地の葉物野菜が影響を受けている」と説明。同市場で働く仲卸業者の男性(58)は「イチゴの値段が上がっていて、特に九州産が入ってこない。注文への対応が難しい」と話した。【池田知広】