陸上の日本学生個人選手権第2日は10日、神奈川県のShonanBMWスタジアム平塚で行われ、男子100メートル決勝で多田修平(20=関学大)が、追い風1・9メートルで10秒08をマークして優勝した。

 準決勝では追い風4・5メートルの参考記録で9秒94をマークしていた多田は、決勝でも日本歴代7位に並ぶ好記録をマーク。公認記録となり、世界選手権(8月・ロンドン)の参加標準記録(10秒12)を突破した。

 多田は男子短距離のホープ。5月21日に行われたセイコー・ゴールデングランプリ川崎でも04年アテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(35=米国)、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリストのケンブリッジ飛鳥(23=ナイキ)に次いで3位に入っていた。

 男子100メートルで100分の1秒までを表示する電気計時の9秒台は国内のレースでは日本勢初。過去には米国で2015年3月に桐生祥秀(東洋大)が追い風3・3メートルで9秒87、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が今年4月に追い風5・1メートルで9秒98を出している。日本記録は伊東浩司が1998年に樹立した10秒00。

 100メートルで世界陸上の参加標準記録を突破したのは、これまで飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(東洋大)、山県亮太(セイコーホールディングス)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の4人で、多田で5人目となる。