ばらの花って 写真うつりがとてもいいですね・・ うらやましいな
ぼくは君の顔を知らない。声を聞いたこともない。
君は、2年ほど前にぼくが受け取った手紙の中にいた。
うつむいて、しょんぼりとして、ひとりぼっちでたたずんでいた。
(きよしこ (新潮文庫)重松 清)
木曜日、1年ぶりに6年生の読み聞かせをしてきました
重松清さんの「きよしこ」の最初と最後の ある少年に語りかけているところを読み、6年生の子どもたちに聞いてもらった
1週間ほど、繰り返し朗読の練習をしていたので、冒頭部分を暗誦し、今もときどき口ずさんでいたりします
最初の部分6ページ、最後の部分3ページ。
この少ないページ数のなかに 重松さんの優しさがつまっていて、読めば読むほど いろいろな思いが 私の心にもわきあがってきた
朗読の練習のおかげで 素敵な日々を過ごしたなぁ・・と 今しみじみ感じています
6年生の子どもたちにも何かが残せていればいいのですが・・
「そういえば、読み聞かせの人、一生懸命読んでいたなぁ・・ そんなにうまくなかったけど。
『きよしこ』だったっけ。 ちょっと読んでみようかな」 と 本屋さんか図書館で 「きよしこ」 を手にとってくれていますように
↓ ここがいいんだよねぇ
少年は君と似ていただろうか。ぼくは君になにかを伝えられただろうか。
いつか いつでもいい、いつか、君の話も聞かせてくれないか。
うつむいて、ぼそぼそとした声で話せばいい。ひとの顔をまっすぐに見て話すなんて死ぬほど難しいことだと、ぼくは知っているから。
ゆっくりと話してくれればいい。
君の話す最初の言葉がどんなにつっかえても、ぼくはそれを、ぼくの心の扉を叩くノックの音だと思って、君のお話が始まるのをじっと待つことにするから。
君が話したい相手の心の扉は、ときどき閉まっているかもしれない。
でも、鍵はかかっていない。鍵をかけられた心なんて、どこにもない。
ぼくはきよしこからそう教わって、いまも、そう信じている。
きよしこは言っていた。
「それがほんとうに伝えたいことだったら・・・・・・・・伝わるよ、 きっと。」
きよしこ (新潮文庫) 重松 清 |