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今回はペアーハンズのキットを組んだ東武モニ1471を整備します。
私のHPの記事を見ると2002年8月完成とあるので、約10年前の車両になります。
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このモニは数周走らすと動きが悪くなる為、ほとんど静態保存状態でした。
使った動力ユニットはご覧の通りのグリーンマックス製で、車体いっぱいにダイキャストブロックが詰まっている古い物です。
完成から数年が経ち、鉄コレ動力と言う便利な物が世の中に出始め、いずれそれに交換しようと思いつつ何もせずに今に至ります。
床下機器や連結器周りを移植するのが面倒なんですよね・・・。
移植が面倒ならば動力ユニットを調整してみよう、と思い立ったので記事にしてみました。
何かの参考になれば幸いです。
さて、動力ユニットは具体的にどのような症状なのかと言いますと、久々に動かした結果、
・前進、後進時に車体が小刻みに縦揺れを起こし、ガリガリと音を立てて殆ど進まない。
・台車を持つと前後左右上下に大きく動く(要するに全ての遊びが大きい)。
・ダイキャストに直接通電するとモーターは正常に回る。
以上の3点が判明しました。
これらを念頭に置いて作業を進めようと思います。
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早速分解してみましょう。
GM動力もいくつか種類があるようですが、この動力は左右のダイキャストを結ぶボルトがプラ製の物です。
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モーターの脇にはボール紙のスペーサーが入っていました。
リニューアル時にモーターが小型の物に変更されたのでしょう。
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まず目に付いたのがこの部分。ウォームギアでしょうか。
偏った位置に付いているのでこれを直します。
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右に見えるスプリング製伝達軸への差し込み具合を調整してギアが中央に来るようにしました。
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次は画像の部分です。
軸受(白い凸型のプラパーツ)の幅が、スペーサー兼絶縁パーツ(青丸部分に入るパーツ)の幅より広い為、
ダイキャストブロックの台車受け部分が広がっているので、これを修正します。
軸受側面(赤く塗った部分)を僅かに削り、左右ダイキャストを合わせた時に絶縁パーツと違和感の無い幅にします。
台車をはめて左右動を確認しましたが、これで左右の遊びがかなり減りました。
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台車には上下方向の遊びを減らす加工をします。
ダイキャストブロックにある台車留めの突起が、台車側の突起受けに比べて小さいらしく、ウォームギアが空回りするようです。
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矢印の部分にt0.14のプラ板を接着し、上下方向の動きを制限してみました。
あまり厚い物を入れると台車の首振りを妨げたり、ウォームギアと台車側ギアの噛み合いが悪くなったりするので微調整が不可欠です。
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ウォームギアと台車側のギアは常に中央で噛み合って欲しい為、台車の前後動を制限してみます。
1mm前後も台車が動いてしまっては恐らく噛み合いにも影響が出ると思うのです。
そこで、ボール紙をL型に折った物を4箇所、台車の首振りに影響のない所へ付けてみました。
ボール紙は90度で折るのではなく、110~120度位の角度で折り、台車を挟み込むようにします。
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以上の作業を終え試運転をした所、走りがかなり改善されました。
空回りはしなくなり、重量感のある走行音になりました。
・・・が、台車の前後動を制限するボール紙がすぐにヘタってしまいました。
元々試作的な物でしたのでここを作り直す事にします。
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早速作り変えてみました。
材質はまたボール紙ですが、今度は台車がスッポリと収まるように円形の穴を開けた板にしてみました。
ギアの逃げも忘れずに作っておきます。
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台車を取り付けてみた所、これはこれで良好でした。
L型に折ったボール紙よりは耐久性もあります。
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試運転中に気が付いた事が1点。
赤矢印の方向に進む時は台車の前進(赤矢印の方向)を制限しないとまともに走らないのですが、
黄矢印の方向に進む時は台車の前進(黄矢印の方向)を制限しなくてもこの動力に限っては普通に走る、と言う事です。
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以上のことを踏まえて作り直したのがこちら。
今度はt0.3のプラ板製で、若干耐久性もUP。
試運転の結果も良好でした。
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さらに良い走りを求めて、台車には0.2mm径の真鍮線から作った補助集電線を取り付けました。
片側の台車をリレーラーに載せて試運転した結果、ちゃんと走りましたので機能しているようです。
ポイント通過の際のぎこちなさも殆ど無くなりました。
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補助集電線は車体を被せてしまえばほとんど見えません。
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以上の加工を終え、前進後進共に30分程度試運転をしてみましたが良好でした。
僅かに速度の上下はあるものの、スローも効きますし、ポイントで止まる事も無くなりました。
現行のGM動力や他社の製品に比べると性能的には劣るのでしょうが、何と言ってもこの動力ユニットの
グォングォンと言う独特な走行音が好きなのでこれからも末永く愛用しようと思います。
以上!
※この加工は全ての動力ユニットにおいて有効であるとは限りません。