G’Sの小部屋ブログ

G’Sの狭い作業台から

カトー製 DE10暖地形(品番7011-2)の分解と調整

2024年07月19日 | 鉄道模型(Nゲージ・9mmゲージ車両)
 
 

1軸目が脱線してますが気にしないでください。
久々のNゲージです。
今回はKATO製DE10暖地形(品番7011-2)の調整をします。
急に停止したり、速度が急に上がったりと安定しない走りをすると言う事で預かってきました。
作業開始前にネットで諸先輩方々の記事を拝見しましたが、様々なパターンの不具合があり対応に相当苦労しているご様子。
果たして私の手に負えるのでしょうか。
それでは始めましょう。
 
 


このDE10はリニューアル後の製品で、旧製品に比べると格段に繊細になっていますが重量も相当軽くなっていますね。
気になる点を強いてあげるならば、両台車の首振りがやや渋いところでしょうか。
直線で軽く試運転をしてみましたが、全く問題がありません。
一度は所見なしと依頼主さんに連絡したのですが、経過観察という事で再度試運転をしてみることに。
ユニトラックでエンドレスを組み、畳のヘリで「へ」の字形の段差を再現したり、なるべく線路の歪みを作る方向で敷設してみました。
カトー製の旧客5両に旧マイクロのナハネフ10を足した6両を牽引しての試運転です。
パワーパックのダイヤルを相当回さないとスタートしませんでしたが、ネットの記事を見るとモーターの特性もあるが3軸台車のギアの抵抗もかなり大きいとの事。
ボンネットが長い方を前にして走らせたところ、最前位の車輪が「へ」の字形の段差を越えた先のカーブで外側に脱線しました。
数回試しましたが毎回同じ結果となりました。
ローフランジ車輪なのも原因の一つなのでしょうが、3軸が固定されている長い台車ですのでその辺りも原因の一つかと思われます。
また、しばらく走らせているうちに徐々に速度が下がり、ついにはダイヤルMAXでも進まなくなりました。
モーターの不具合だとお手上げです・・・。
 
 
 

何から始めようか迷うのですが、簡単に出来そうな事から始めてみましょう。
ネット記事によると3軸台車の3軸目へ動力を伝えるギアを抜いてトレーラー車軸化をすると抵抗が減るとの事なのでそれを実行してみます。
画像の状態で白いパーツを回してみたのですが、回転に引っかかりが相当ありました。
 
 
 

上部のギアボックスを外したところです。




台車を真横から。
この画像では分かり辛いのですが、2軸目を支点に1・3軸目が天秤状の動きをします。
車体を載せると車重で2軸目が沈んで全ての車輪がちょうど良く接地する設計なのでしょうか。
2軸目の上部を指で押すと3軸全てが接地しますが、そこそこの力を加えないと2軸目が沈みませんでした。
このDE10、車重が大変軽いので期待通りの沈み方をするとは思えません。
 
 
 

各軸を拡大して見てみましょう。
1軸目です。やや浮いているのが分かるでしょうか。
 
 
 

2軸目です、しっかり接地しています。
 
 
 

3軸目です、こちらも浮いています。
ご覧の通りのローフランジ車輪なので、この状態でもフランジが半分程度しかレールに掛かっていません。
「へ」の字形の凹凸に弱いのはこの辺りが原因でしょう。
 
 
 

2軸目の位置を調整するには、集電板に含まれているバネ機構と軸受けの調整が必要です。(赤丸部分)
Ω形の部分をやや上方へと移動させると、2軸目が1・3軸目とほぼ一直線となります。(緑色部分)
ただし上方へ動かし過ぎると2軸目にかかる粘着力が失われるので注意が必要です。
Ω形部分の微調整は黄色枠部分で行ないました。
組立てて試運転してまた分解して調整してを数回繰り返してちょうど良い位置を探すのに若干苦労しました。
 
 
 

3軸目のトレーラー車軸化もしておきましょう。
2軸目から3軸目に繋がるギアを2枚ほど抜いておきました。
 
 
 

台車を組み上げた状態です。3軸がきれいに接地しています。
また、白いパーツを回して見たところ引っかかりは無くなりました。これは期待できそう。
 
 
 

車体を被せる前に試運転です。
前進・後進共に15分ずつ走らせてみましたが良好でした。
また、パワーパックのダイヤル量も調整前と比べて減っているので抵抗が相当減っていると思われます。
気になる牽引力ですが、1軸減らしてもほとんど変化が無いようです。
 
 
 


「へ」の字形の凹凸を越える部分での脱線も無くなりました。
 
 
 

車体を被せて試運転です。
・・・が、いきなり動かなくなりました(汗)
一旦車体を外して動かすとまた走り出すという謎現象です。
もう一度車体を被せて動かすと、今度は走り出しましたが何故か左右にブレながらの走行です。
また車体を外してもう一度被せて動かしたところ、今度はスムーズに走り出しました。
ネジ類を一切使わずに動力ユニットを構成しているため、組み立ての際の僅かな位置ずれで様々な現象が出るのではないでしょうか。
大変繊細な動力ユニットです。
 
 
 

ボンネットの短い方を先頭に走らせていたところ、また徐々にスピードが下がりパワーパックのダイヤルがMAXでも走らなくなりました。
すぐに逆向きで走らせるとガクガクッとした直後にスムーズに走り出すのでますます謎です。
モーターのブラシにカーボンでも溜まるのでしょうか?それとも動力ユニットの組付けの問題・・・?
どんどん泥沼に嵌って行きそうな予感です。
 
 
 

とりあえずモーターの軸受けにユニオイルでも点しますかという事で少量垂らして見たところ、なんと突然快調に走り出しました。
オイルを点す際に一度車体を外しているので組付けの問題の線も外せませんが・・・。
前進・後進共に30分程度走らせ、翌日も同じように走らせたところ問題ありませんでした。
一体何なんでしょうね。
モーターの軸受けのオイル切れという結果だけで済ませていいものかどうか分かりませんが・・・。

なんともモヤモヤした結果となりましたが、好調に走ったので良しとしましょう。
以上!

※この記事の作業はどの車両でも同様の結果が得られるとは限りません。あくまでも参考程度にお願い致します。

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