京都大学霊長類研究所の正高信男先生のの著書に「ケータイを持ったサル」がありますが、単語会話しか出来ない子供たちはまさしく「ケータイを持ったサル」です。言い得て妙ですが、確かに怖い話です。
人間とサルを分けるものそれは言語です。人間とチンパンジーの遺伝子は数パーセントしか違いがないといいますが、実際には大きな違いがあります。筆者はノーム・チョムスキーの生成文法仮説を支持します。この仮説では、人間の脳には文法を作り出す機関が備わっているに違いないというものです。人間のコミュニケーションは言語によって行われますが、言語とは言語の違いを問わず必ず単語と文法で出来ています。複雑な文法を駆使ししてコミュニケーションするのが人間らしい行動です。
一方、サルに人間の言葉を教えて、サルとコミュニケーションすることが出来ます。しかしサルはどうしても文法を駆使する事が出来ないと言われます。サルの脳には文法を扱う事が出来ないわけです。そう「単語会話しか出来ない子供たち」と同じです。
人間は脳には文法を作り出す機関が備わっているらしいのですが、教育の質によってそれを生かせない可能性もある訳です。
このままでは日本は「サルの惑星」になってしまうのかもしれません。
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