「【正論】加地伸行 移植臓器の提供先を明らかに」はとてもいいコラムだと思いました。さすがは加地先生です。日本人の死生観を鑑みて移植臓器法が機能しない事を論じている所がいです。本当の意味で実態を言い表しています。この様なコラムが新聞紙上に載る事も日本もまだ捨てたものではないと思います。
加地先生の主張される「移植臓器の提供先を明らかに」することには反対ですが、その問題意識には強く同意します。
映画「おくりびと」にみられるように、日本人は死生観に無自覚ですが、遺体、いや亡骸を大切にする民族です。人助けとはいえ亡骸から臓器を取り出す事には抵抗があります。何の対策無しに基本的にドナーが増えるわけがありません。例えば、筆者はドナーになるつもりがありません。
ケガレ信仰も一つの原因と考えられます。死体には死穢(死体のケガレ)があると考えられます。臓器移植の必要な当事者でなければ、死体から取り出した臓器が移植される事にも抵抗があります。
多くの日本人は自分には関係ない事だと思っています。
結果ドナーは増えず、病気になって臓器移植の必要な当事者なって初めて、問題に気づき苦しむのです。
政府は身を切って問題を国民に訴えることをしなければ、問題の根本的に解決には至らないでしょう。
乱暴なアイディアですが、国家公務員にドナーカードの所持を義務づける等の覚悟が必要だと思います。
やはり、臓器移植の問題は、ティッシュエンジニアリング(再生医療)によって解決するのが、最も望ましいと考えます。物造りの国日本はまっさらな臓器を持てる技術によって造り移植する。もっとも日本人に合ったやり方です。これが出来るまでの間は、日本人は、死生観を捨てるか、移植を諦めるかの選択をしなければならないのかもしれません。
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