2024/1/30付ブログ記事「国道169号御所高取バイパスについて・・・未だ用地買収にも至らず?」の続きです。
この御所高取バイパスですが、当初は別ルートで計画されていたことをひょんなことから知りました。
国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所の公式サイトに掲載されている大和御所道路(御所区間)のパンフレット<令和2年10月制作>を見ると、
https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kaichiku/bval4b0000001lbl-att/keinawagose-panf.pdf
御所ICのすぐ南側で側道と接続するはずの御所高取バイパスが書かれておらず、代わりに高取バイパスの延長として「都市計画道路橿原高取線」が書かれています。2か所で上下線が分かれているところからすると完成4車線の道路として計画されていますが、北の端は他の幹線道路と接続せずにいきなり途切れています。このパンフレットが制作された時点では既に御所高取バイパスは都市計画決定されていましたが<2019年度決定>、古い情報のまま制作してしまったようですね。
ということで「都市計画道路橿原高取線」をキーワードに検索すると、奈良県公式サイトの以下のページにたどり着きました。
https://www.pref.nara.jp/51668.htm
2019/8/23付の公示を以て、都市計画道路橿原高取線の高取バイパス開通済み区間以北が廃止され、代わりに現行の都市計画道路御所高取線が誕生しています。
https://www.pref.nara.jp/secure/216608/soukatsuzu.pdf
その変更理由書をまとめると以下のようになります。
https://www.pref.nara.jp/secure/216608/riyuusyo1.pdf
もともと橿原高取線は1997年に国道169号のバイパス道路(4車線・幅26m)として都市計画決定されたものです。現在の高取バイパス全区間をも含み、北端は大和高田バイパスと接続する予定だったようです。
しかし、2009年の奈良県による未事業化の広域幹線道路の見直し時に、事業化済の高取バイパス部分を除いた区間が「2車線以下の生活幹線道路として、必要性の有無を検証する路線」に変更となりました。これを踏まえ、2015年に橿原市川西町以北の約2350m区間の広域幹線道路としての計画が廃止され、廃止区間のうち近鉄南大阪線を越える前後のみ、橿原市が鉄道による分断を回避するための2車線の「橿原運動公園線」を改めて都市計画決定しています。
一方、橿原市川西町~高取町兵庫<高取バイパスとの接続部>については、2015年時点では現在の御所高取バイパスの道路計画が完了していなかったことからそのまま存続し、上記のような「いきなり4車線の都市計画道路が途切れる」状況が4年ほど継続する結果となっていました。
この変更により、橿原市川西町~高取町兵庫間は完全に計画が廃止となり、代わりに御所高取バイパスが広域幹線道路として都市計画決定されたわけです。
高取バイパスの北端の場所や、その先の「平成大橋」の謎が、この文書により見事に氷解しました・・・