新作など色々ご紹介したい時計があるのですが、先日少しご紹介したジャガールクルト150周年モデルが入荷しましたのでこちらの時計から。
こちらは1983年にジャガー・ルクルト生誕150周年を記念して作られた時計です。この年はちょうど東京ディズニーランドが開園した年ですね。そしてどうでもイイ事ですが私の生まれ年です。
18KYGケースで限定数は600本です。
サイズは小さく非常にクラシックなイイ時計です。
限定本数は少なすぎる数ではないですが、市場の流通量はかなり少ないです。特に国内では見る事は稀です。
当時国内価格は150万円程だったと聞いておりますが、国内入荷数は数本であったとも言われています。
現行のマスター・カレンダーや生産終了のグランド・レベルソ・カレンダーと同じでジャガー・ルクルトらしい時計ですね。
レベルソでは無い角型が新鮮です。
何と言ってもこのムーンフェイズに目が行きますよね。
現行品と違いムーンフェイズに顔が入っています。これは後でもご紹介しますが、当時のオールドムーブメントを搭載している為です。
ケースは8mm程ですので程良い厚みです。
カレンダー調整はケースサイドのプッシュボタンで行います。曜日だけはリューズを回して合せて行きます。これも現行品と同じですね。
非常に操作性が良く現行品と大差ありません。
ケースは18KYGの無垢ですが、尾錠は金メッキです。今のものと違い繊細さは無く無骨なデザインですね。
勿論尾錠は当時の純正品ですが、革ベルトのみは傷みがありましたので違うものに交換しております。
裏蓋には150周年の刻印とシリアルNoの刻印があります。
しかもこの時計シリアルNoが一桁なんですよね。これは珍しい。
JAEGER-LECOULTRE LA GRANDE MAISON P.334
先程も触れましたムーブメントですが、1949年に作られたcal.486のデットストック品を搭載しております。
アンティーク市場ではこのムーブメントを搭載したモデルを見かけますが、あまり状態の良いものはありませんね。当時は角型という事もあり気密性が良く無かったからでしょうね。
角型でこのように複雑な機械は稀で、ジャガー・ルクルトの技術力の高さが窺えます。
こちらは裏側。
こう見るとカレンダー部分が見えない為シンプルに見えます。
デットストック品の為アンティークによくある傷汚れ等は全く無く美しいです。
よく見かけるルクルト(アメリカ市場向け)の刻印では無く、ジャガー・ルクルトとしっかり刻印されている所がイイですね。
3か月程前に弊社でオーバーホール(交換部品無)とケースのライトポリッシュを行っていますから、見た目も綺麗で、機械の調子も良いです。
国内ではほとんど紹介されていない時計ですが、メーカーカタログJapanese Edition 2002/2003 P.213の右下に写真が載っています。何故この時計が使われたかは不明です。
右は生産終了のレベルソ・クラシックです。
ほとんど同じサイズですね。Goodサイズ。
もう一つ興味深いのが、購入当時の付属品が全て揃っている点です。
BOX内装はさすがにダメージがありますが、それ以外は凄く良い状態ですよ。
箱にはこのロゴです。時代を感じますね。
カタカナが入るのは国内正規品のみです。
保証書、取扱い説明書は簡単なモノで特にご紹介はしません。
因みにこの頃は大沢商会が輸入元でした。
プッシュピンは今より高級感がありますね。
魅力的な時計です。
色んな意味で楽しませてくれる時計だと思います。
生誕150周年モデル
Ref.141.010.1
ケース材:18KYG
ケース径:31mm×23mm
限定数:600本
発表年:1983年
林時計鋪
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