2015.11.26 NOMOS Glashutte オフィシャルセミナー in 東京国際フォーラム
先月ノモスのオフィシャルセミナーに行って参りました。
創業者の子息であるメルリン・シュベルトナー氏からノモス社の色々な話が聞けて、良いメーカーである事を再認識しました。
それではセミナーで聞いた話を中心にご紹介したいと思います。
ノモスは1906年、グイド・ミュラーによってグラスヒュッテに誕生しました。当時グラスヒュッテの高級時計メーカーとして生産を続けていましたが、他メーカー同様第二次世界大戦後は休眠状態にありました。東西ドイツ統合後、デザイナーとして活躍していたR.シュベルトナー氏が旧西ドイツからグラスヒュッテに渡り、1992年ノモス社を再興させました。
機械式時計はスイスメーカーが圧倒的に多いですが、その次はドイツでしょうね。
さらにドイツの中でもグラスヒュッテに集中しています。NOMOS社もこのグラスヒュッテに本社を構えています。
グラスヒュッテはドイツの東側に位置し、人口約2,500人の小さな町です。時計製造の歴史は170年以上あり、現在12社がこのグラスヒュッテに本社を構えています。
この写真は凄く解りやすくて、ノモス本社の目の前にランゲ&ゾーネとグラスヒュッテオリジナルの本社があります。
この距離感凄いですね。因みに、すぐ先の橋を渡ると、最近話題のモリッツグロスマンの本社があるそうです。
NOMOS Glash�・tte?Perfectly prepared (long version)
こちらがグラスヒュッテです。
そして動画の初めに出てくくるのがノモス本社(旧駅舎)です。
だいたい写真、動画ではこの旧駅舎の本社が出てきますが、グラスヒッテに計5棟も建物があるそうですよ。そこで約230人の従業員が働いているそうです。
DUW4301
ドイツの時計はよくシンプルと言われますが、ドイツらしいデザインというのは何となく想像して頂けると思います。
それと同じくドイツ製(グラスヒュッテ製)ムーブメントの特徴もあります。
それが3/4プレートですね。スイス製のムーブメントはプレートがいくつかに分かれています。他にも歯車のサンバースト仕上げや、切込みまでブルーのブルースチールネジ等はグラスヒュッテ製のムーブメントの特徴と言われています。
さて、今回のセミナーで一番驚いたのが、ノモス社の自社製ムーブメントです。
既に現行品にも搭載されていますが、今年の薄型ムーブメント等その数も増えてきています。
こちらの写真はノモス社が7年以上かけてつくったスウィングシステムです。
現在ノモス社はヒゲゼンマイまで自社で作る事が出来ます。勿論テンプも自社製です。手巻きムーブメントでは95%が自社製、残り5%は人工ルビーやインカブロック等です。ムーブメントにDUWの刻印があるものは自社製テンプが搭載されています。自社製ヒゲゼンマイは今後は全ムーブメントに搭載予定だそうです。
面白い話がありまして、ノモスにはクロノグラフがありません。しかし自社でクロノグラフを作るノウハウはあって、技術的には可能だそうです。今は段階的にムーブメントを作っていますので、何年後かには恐らく自社製クロノグラフを作ってくると思いますよ。
研究開発
3/4プレート
人工ルビー
旋盤
旋盤
旋盤
旋盤
仕上げ
ヒゲゼンマイ
テンプ
アンクル
アッセンブリー
調整
品質管理
最終品質チェック
続いて、ノモスの最大の特徴であるデザインについてです。
実はデザインはグラスヒュッテでは無くベルリンでおこなっています。
ドイツは世界的なアート大国で、その中でもベルリンはアートの街です。そこに拠点を置いてノモスはデザインされています。
ベルリンにあるノモスのクリエイティブ・エージェンシー「ベルリナブラウ」です。
ここでは約30名が働いています。
文字盤、グラフィック、カタログ等は全てここで企画されています。
デッサン
ディテール
フィット感
カラーリング
タンジェント、オリオン、ラドウィックは20年以上デザインを変えていません。
ラドウィックは全く同じデザインのサイズ違いが4種類もあります。こんなメーカー他には無いですね。
次回②は新作薄型ムーブメント搭載のネオマチックをご紹介します。
新カタログも届きました。
ノモスらしいカタログです。
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