宗教学の島田教授が言われるには
ある人が お釈迦様に 向かって
「一体 死後の世界ってほんとに 実在するのでしょうか。」
と尋ねたら
お釈迦様が 仰せになるには
「わたしは まだ死後の世界を 除いた経験を もちとません。だから
死後の世界については 何も知りません。」とこたえられたと言う。
これに似たような法話の仲に 親鸞聖人の話しが 歎異抄野中に見える。
親鸞をはるばる関東から尋ねてきた人たちに
「あなた方は 遠い関東から 死後に極楽に揺れることを 訓えて欲しいと
はるばる尋ねてこられたのでしょうけれども、もし其のことを知りたければ
比叡や奈良に行くと 学を究めた お坊さんたちがたくさんいらっしゃる。
其の方々に効いたがよろしかろう。ただ わたしは吉水の先生から一新に
念仏を唱え 信心すれば 往生できるということを訓えられて 先生をひたすら信じて
念仏輪唱えています。もし吉水の上人が言われたことが偽りごとであっても
決して後悔はしません。」と答えられたと言う。
宗教の真髄ではないか。雪の新潟から 行きを掻き分け書き分けしながら
関東の布教にこられた親鸞聖人が茨城県の笠間に建立されたお寺がある。
暑いときこのお寺を訪問した。せみ時雨の中の講堂で往事をしのんだことがある。
私の一生の思い出である。