忙中閑あり

日々のこと、ぽつぽつと綴っていきます‥

【俳句】冬の銀座

2016-02-05 | 日記

木曜日は 『 プレバト 』 の日! 

いつき組の云うところの  プレバト ナイト

Oh yeah ~  

 は

 「 冬の銀座 」   

‥さて 、早速 ‥

 

第2位 喜びや哀しみ洗う雪の降る (60点)

      雪降るや喜び哀しみを洗い

     「喜びや哀しみを洗う」抽象的な言い方にはなっているが

     最後に「雪の降る」で大きく受け止める

     あの写真からこういう発想が出来るのは詩心のある人

     もったいないのが「や」

     並列を表すのか詠嘆を表すのか判らない

     この「や」は「喜びや哀しみや」という風に散文的な響きになる

     散文的とはどういうことか

     「喜びや哀しみを洗うように雪が降りますよ」という

     普通の文章のある部分をちぎって俳句っぽくしている

     働きの違う別の「や」を使って散文ではなくする

     「雪の降る」→「雪降るや」 ここでカットが切れる

     「あぁ美しい雪が降っていることよ」

     それからこっちに持ってくる

     「喜びや哀しみを洗い」

     雪の光景が映像として見えてきたあとに

     抽象的な自分の気持ちが出てくると読み手が受け入れやすい

     先に「喜び」「哀しみ」を言われても大雑把

     雪が降る光景が先にあることで

     その中に感情を託して読むことが出来る

     こうしてくれたら才能アリにいけた

      具体的な情景から始める

     「喜びや哀しみ」のような漠然とした感情から始めると

     その俳句は共感されにくいものになりがち

     「雪降るや」と始めることによって

     その情景に託した思いを感じ取ってもらえる

 

第3位 帰路へつくあから顔照らす雪明かり (50点)

      帰路へつく酔うたる顔や雪明かり

     この句の中には問題点が3つある

     ① 「雪明かり」と「照らす」の重複

     ② 「あからがお照らす」で8音

       中七が8音になっている

     ③ 「あから顔」の表現

       顔が赤い意味だから 寒くて赤いとか恥ずかしくて赤いとか

       お酒を飲んだのであれば「酔った顔」を表現すればいい

       「あから顔照らす」→「酔うたる顔や」

     ホントは「つく」もいらない

     「帰路へ」と言ったら 「帰路へつく」は言わずもがな

     ‥ここを変えると語順を全部変えないといけないので

     めんどくさいので これで

     凡人50点だから これぐらいで上等っ!

      伝えたい情景は確実に

     ただ「あから顔」だけでは

     その人が酔っているのか怒っているのか寒いのか解らない

     酔っている人を表現したければ「酔うたる顔」

     こうすれば独りよがりの俳句から抜け出せる

 

第4位 雪明かり金が舞うなり銀座道 (42点)

      金が舞う銀座なりけり雪明かり

     本当に直接的でゲスだと思う

     誤解して最初読んだ

     「かね」じゃなくて「きん」だと思った

     すぐに思い浮かんだのが

     「金色の雪明かり降る銀座かな」

     ぃやー 綺麗な句やなー と思ったら ‥「かね」よ「かね」!

     本当にゲス

     しかし、本人が「かね」と言っているから

     「きん」にする訳にはいかない

     「かね」の句としてやってみる

     インパクトのある言葉は最初に持ってきた方がいい

     「金が舞う」、「なり」をムリヤリ生かす、「銀座なりけり」

     銀座という所はそういうものである

     「金が舞う銀座なりけり」という俗な言葉が

     「雪明かり」で浄化されていく、季語の力で

     季語の力が詩にしてくれる

     この語順が分からないようじゃ42点だね

       俗っぽい句は綺麗な季語で締める

     「金が舞う」のような俗っぽい言葉は敢えて冒頭に

     そして、美しい季語で締めれば

     俗っぽい言葉が浄化され読後感の良い作品になる

 

最下位 大雪にパニックなのは大人だけ (40点)

      大雪にパニック子らははしゃぎ行く

     童心を思わせたかったら童心を思わせる言葉を入れる

     この句の一番の問題点は

     「大雪になってパニックになるのは大人だけです」

     17音に入れ込んだだけ

     「大雪でパニック」で切ったとしても

     みんなが右往左往している光景は想像できる

     「なのは大人だけ」わざわざこれだけの音数を使う必要はない

     「大雪でパニック」でカットを切って、その後に童心を出す

     はしゃいでいるでしょうね 「子らははしゃぎ行く」

     5・7・5の調べがちょうど真ん中で切れて

     上と下、2カットの映像にする技 

      主人公に焦点を絞る

     この句の主人公は大人ではなく、あくまでも子ども

     主人公の様子や気持ちを描くために

     どの言葉が不要なのかよく見極める

 

第1位 色褪せた写真のわたし雪の街 (70点)

     写真の中に自分自身を見つける

     発想がいいのはその通り

     「色褪せた写真」だけで1枚の古い写真が見えてくる

     「~のわたし」=写真の中に存在する「わたし

              =写真を撮った時代に存在する「わたし」

     色んな重なったイメージがこの中に全部入っている

     最後の押さえがいい

     「雪の街」とすることで、雪の状況と街の場が見えてくる

     それぞれの言葉がお互いを邪魔しないで

     ちゃんとイメージや意味を構成している

     そこは さすが!

     手直しなんて全然いらない

     羽田は特待生に戻る?  (浜)

     これだけじゃ無理でしょ、あんた  (夏)

     次回に持ち越し~ 

 

そして 、 今回も 特待生の昇格試験がっ!

ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!

特待生5級の 東国原英夫さんっ!

進撃や夜時計響く雪巨人

 進撃や雪の巨人と夜の時計

発想がスゴい

相変わらずこの人の発想には驚かされる

あの写真から コレ出て来るって

何がスゴいって、

いきなり「進撃や」って強い言葉を打ち出してくる

そして、夜の時計が響き渡って 雪の巨人が現れる

ファンタジーの世界

俳句の型としては難しい型に挑んでいる

上五に抽象名詞「進撃」を「や」で切って

「夜時計響く雪巨人」の塊のセンテンスの中に季語を入れ込む

5音と12音のバランスをとる、かなり難しい型

特待生ならではの挑戦

果たして 査定はっ ‥‥‥ 現状維持ーっ!

発想にユニークさに技術がついていっていない!

もったいないのは「夜時計」「雪巨人」が寸詰まり

「夜の時計」とか「雪の巨人」という言い方をしてほしい

入れたら字余りになるから苦しんだと思うけど

実は「響く」を使わなくても 響かせることが出来る

「ひ・び・く」の3音が使えたら

「夜」「雪」を1音ずつ入れることができる

まだ1音貯金がある

まず出てきてほしいのは「雪の巨人

「進撃や」の勢い

「進撃や」「雪の巨人夜の時計」

こうするだけで時計はちゃんと響く

何故かというと「進撃や」と強い言葉がある

次に出て来るのが「雪の巨人」で 映像はとても大きくなる

そこに「夜の時計」で 小さい時計を思う人はいない

大きな時計台とか時計塔を思う

「時計」と言い切った後に 大きな音を響かせる

想像させることが出来るのならば ゆったりとした表現

本当にそら恐ろしい作家

先生の解説を見ててビックリしますね  (東)

詩心、俳句心が分かる2人だね  (東)

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