映画のCMとか宣伝とか、たまたま相葉をはってて、寺尾さんと鳥越さんの対談を
見て気になったり。
確か旦那が持ってたなと思って本棚を漁って読み始めた「さまよう刃」
気がついたら4~5時間で一気に読み終えてしまいました。
さまよう刃 (角川文庫)東野 圭吾角川グループパブリッシングこのアイテムの詳細を見る |
犯行状況の目を覆うような悲惨さ。
主人公の長峰の味わった、この世の終わりを彷彿とさせる絶望、怒り、嘆き。
気がついたら、犯人への復讐を全うしてもらいたい!
やっちゃってちょうだい!!とリアルに思うくらい長峰に共感したし
犯人達を憎く思った。
読んでいるうちに感化され、憎悪はこうやって生まれていくんだなと
体感したような気になりました。
なかなか安穏とした日常でこんな風に思うことはないもの。
そして生まれていく憎悪は間違ったものではない、っていうことを
刑事なのに「長峰がヤツを殺してくれれば」って立場を覆してまで思う人達が
いることで安心するのです。
被害に遭う子がうちの子と大差ないくらいだっていうのも
やるせない気持ちにさせられました。
子供って、いくら背を抜かされても生意気なことを言っても「子供」なんです。
だからそういう犯罪は子供相手にないだろう、っていう認識ができてた部分があって。
そんなだから、世の中の15歳に対する見方がもう大人に対するそれなんだって
思うとすごく油断してるなぁと思って。
普段、バレエとかやってると肌を見せることとかが恥ずかしいっていう気持ちに
鈍感になってるのね、親子共々。
なのでもう少し気をつけなくっちゃと思ったり、夜道をひとりで歩かせちゃダメ!
って怖くなりました。
そして少年法の甘さ。
そうなんだよね。リアルに起こった少年犯罪でも裁判の度何度も論議されてるけど。
本編でも青少年の犯罪者を手助けする会みたいな人がでてきて
あーだこーだ弁をふるっていたけども。
正直、賛同できないもん(長峰寄りの感覚を持ちながら読んでるし)。
加害者の親達(放任してるというか見放してるくせにうちの子にかぎってと言う)も
「あ、いるいる」って半ば呆れ気味に思ったし。
けど、ほんの小さな喧嘩とかで「お宅の●●ちゃんが」って名指しで非難されたら
たとえ我が子が悪くとも「え?まさか」って思っちゃうかもしれないな。
我が子を客観的に見る力を備えておかなくちゃいけないなぁと思いました。
いろいろ考えさせられる、それだけ設定や状況にブレがない作品だなと。
ただ、そうやって芽生えた憎悪の持って行きどころがないっていう(爆)
この思いどうしてくれよう!っていうね。
いやホント、読んでから数日経ってもこの沈んだ気持ちも持って行き場に
困っています。