愛しのボニー

元保護犬
2020年9月21日没(推定10歳)
ラブラドール・レトリバーのボニーの思い出

知りたくなかったこと

2021-07-01 11:04:20 | 日記

夫の病気が進行している。

昨年からじわじわと腫瘍マーカーの値が上がっている。

 

治療前の値はCA19-9が50000以上だった。

50000以上、というのは それ以上は測定不能、ということらしかった。

それでも一時はその値が57になり(上限値37)

あと少し!と飛び上がって喜んだものだった。

 

上限値を下回り、その状態がキープできれば

あるいは手術できるかもしれない、との言葉に

わずかに希望を見いだしたのだった。

 

しかし現実は厳しく その後は上がり続けている。

「一喜一憂してはいけない」

「大事なのは画像による診断」

と医師は言うが “一憂”はしないものの

下がっていたときは明らかに“一喜”していたではないか。

 

そして CTの診断でもがんは大きくなっていた。

抗がん剤が効かなくなってきている…と思うしかないけれど

「効いてますよ!とても効いてます」

「たいていの患者さんはせいぜい半年ほどで効かなくなるか 治療に耐えられなくてやめていくんですよ」

「あなたはもう2年以上続けていますよね」

「よく効いています」

 

…そう言われました。

現実は思った以上に厳しいものでした。

 

2年前 夫に

4年以上この治療を続けている人の話をした。

その方はまだ40歳前後で小学生のお子さんがいる。

それでも仕事をしながら治療を続けている。

コミュニティサイトを立ち上げ、運営し

研究機関の調査協力、講演なども積極的に行っている。

 

そんな話をした。

 

その時 夫は絶望していた。

でも実は『絶望』という意味ではわたしも同じだった。

救いを求めてネット検索ばかりしていた。

何か手立てはないか、どうしたらいいのか、何ができるのか――

 

当初 夫は起き上がることもできなかったが、

やがて仕事を再開した。

もともと仕事が大好きな人だった。

仕事中は病気のことを忘れていられるのだろう。

 

でも最近は痛みが増しているようだ。

 

4年以上治療を続けていたN氏は昨年亡くなっておられた。

 

N氏の話は時折 家族の会話に出てくる。

わたしには言えない。

 

わたしはどうすればいいのだろう

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