あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

陰主陽従のお話

2020-04-20 22:07:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは😃
昨日の好天とはうってかわって、今日の午前中は雨がよく降りましたね。
ついつい、昨日はよかったのに今日は残念だなぁと思ってしまいますね。

果たして、それが正解なのでしょうか?

東洋医学には、陰主陽従という原則的な思想があります。
古典医学書『素問・陰陽応象大論篇 第五』には、
「陰は内に在りて、陽の守なり。陽は外に在りて、陰の使なり」と述べています。
これは、易経に始まる自然哲学・東洋医学に培われた鍼灸治療の原則論です。

陰陽は天地に喩えるのが一番理解しやすいと思います。
陽は天。陰は地です。
陽は、積極的、外交的、活動的なエネルギーです。プラス+のエネルギーですね。
陰は、消極的、内向的、静寂的なエネルギーです。マイナス-のエネルギーですね。

陽は男性、陰は女性です。

陽のエネルギーは、明るく積極的で活発です。発散することは得意ですが、
実はこのエネルギーは、何かを生み出すことができません。太陽の光も恵みの雨も
エネルギー量は膨大ですが、芽を🌱出して形にすることができるのは
太陽の恵も雨水の恵も総てを受け入れる大地にしかできない能力なのです。
一見、華やかなのは陽のエネルギーですが、受け止めてくれる陰のエネルギーがなければ
実は何も生み出すことはできないのですね。
これが陰主陽従です。

我々の行っている治療の根本は、陰のエネルギーを引き出すことによって
いざという時に、しっかりと陽の力を発揮できる状態に持っていくものです。

簡単に言えば、夜になれば明日への活力を蓄えるために質の良い睡眠を得られるようにして、
1日のはじまりにはすっきりと目覚めて、陽のエネルギーを最大限発揮できるようにすることです。

先日の患者さまからのお話の一部をご紹介します。
最近、奥さまが治療を受けられてから、朝起きられなかったのに
最近は朝起きが楽になり、てきぱきと行うので助かります
と、ご主人さまより感謝されるということがございました。

陰陽はバランスよく調和されることが理想なのです。
お昼に働きすぎては、夜眠ることができません。
反対に、お昼間に休みすぎては夜には眠ることができなくなります。
お昼間に活動したぶん、夜にしっかり眠ってそのバランスを保つことが大切です。
このバランスの調整をすることが、漢方鍼治療(経絡治療)の一番の治療目標です。
こちらの奥様は、お仕事が忙しすぎて陽のエネルギーを消耗しすぎておられました。
陰のエネルギーに転換していただくように治療をした結果、このような治療効果が得られたのです。

外出自粛などで、今は陰性のエネルギーが増えつつあります。
この陰の時期に、しっかりと陽の時が来たときに備えることが大切です。
今は、いわば将来の準備期間とお考えください。
忙しすぎた現代人にとって、これまでを振り返って
これからのことを考える準備期間なのですね。

こんなふうに考えていただけると、外出自粛の今の過ごし方を
少し立ち止まって考えていただけるのではないでしょうか?
今こそチャンスなのかもしれません。

雨の日を残念に感じるのではなく、準備にためのチャンスだとお考えいただき、
穏やかな毎日にしていただきたいと思います。



コメント
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