杜鵑(ほととぎす) 誰の子 里の 鶯(うぐひす)の子
息子は母を慕(した) い 暮れゆく藪(やぶ)を廻(めぐ)り そっと呼ばわる
誰(た)そ彼 誰(た)そ彼 と
娘は時(とき)満ち 卵を生みても いまだ母を探す
生み落としたる卵を 母に似たる鳥の 巣に置き去る
彼(か)は誰(たれ) 彼(か)は誰(たれ) と
黄昏(たそかれ)と暁(あかつき)は 木の間(ま)の空も 母に似て
行けども姿なく 顧みては啼(な)く
*
蝉時雨(せみしぐれ) 天水桶を空蝉(うつせみ)の 幼き黙(しじま) 影一つ浮く
水鏡に俯(うつふ)し 頻(しき)りと聴く 沈黙の
彼方(かなた)より青き 時を廻(めぐ)る地球
星燃え凍(こお)る漣(さざなみ)に 木星の呟(つぶや)き響く深更
月光に透(す)く鱗木(りんぼく)の 葉を伝い昇る
仄(ほの)白き翅(はね) 湿りたる黙(しじま)に囚(とら)われし
歌 内なる水 潜(くぐ)り 煌(きら)めき滴(したた)る
流星となり 渦巻く雲の海へ 羽搏(はばた)き
来たれ と 流体の王 呼ばわりし に
*
古き写真 甥の指に掴(つか)まりて 筑波山より来たる
花潜(はなむぐ)り 近所の公園の花を巡り 台所の窓より
赤いバケツの塵紙の家に 戻りて眠る
器に水蜜なし とて 妹の頭の周りを 廻(めぐ)り飛び
花ちゃん と 呼ぶと 塵紙より 顔を出し
或朝 呼べども出て来ず 塵紙の奥に
斃(たお)れて と 姪の涙声の電話あり
前日に ゆっくりと昇り来(きた)りて 皆を見上げし と
*
水芭蕉(みずばしょう) くるりくるり と向きを変え
自(みずか)ら映し 囁(ささや)き交わす
右へ左へ 身殖(ふ)やす如(ごと)く
温(ぬく)き白と 閃(ひらめ)く形
此処(ここ)に 雪といふもの ありし
青き翳(かげ)に伴われ 誰(たれ)そ 見たか と
今は 淺緑の茎葉の下か 明るき青き空の上か
母なるか 懐(なつ)かし と
息子は母を慕(した) い 暮れゆく藪(やぶ)を廻(めぐ)り そっと呼ばわる
誰(た)そ彼 誰(た)そ彼 と
娘は時(とき)満ち 卵を生みても いまだ母を探す
生み落としたる卵を 母に似たる鳥の 巣に置き去る
彼(か)は誰(たれ) 彼(か)は誰(たれ) と
黄昏(たそかれ)と暁(あかつき)は 木の間(ま)の空も 母に似て
行けども姿なく 顧みては啼(な)く
*
蝉時雨(せみしぐれ) 天水桶を空蝉(うつせみ)の 幼き黙(しじま) 影一つ浮く
水鏡に俯(うつふ)し 頻(しき)りと聴く 沈黙の
彼方(かなた)より青き 時を廻(めぐ)る地球
星燃え凍(こお)る漣(さざなみ)に 木星の呟(つぶや)き響く深更
月光に透(す)く鱗木(りんぼく)の 葉を伝い昇る
仄(ほの)白き翅(はね) 湿りたる黙(しじま)に囚(とら)われし
歌 内なる水 潜(くぐ)り 煌(きら)めき滴(したた)る
流星となり 渦巻く雲の海へ 羽搏(はばた)き
来たれ と 流体の王 呼ばわりし に
*
古き写真 甥の指に掴(つか)まりて 筑波山より来たる
花潜(はなむぐ)り 近所の公園の花を巡り 台所の窓より
赤いバケツの塵紙の家に 戻りて眠る
器に水蜜なし とて 妹の頭の周りを 廻(めぐ)り飛び
花ちゃん と 呼ぶと 塵紙より 顔を出し
或朝 呼べども出て来ず 塵紙の奥に
斃(たお)れて と 姪の涙声の電話あり
前日に ゆっくりと昇り来(きた)りて 皆を見上げし と
*
水芭蕉(みずばしょう) くるりくるり と向きを変え
自(みずか)ら映し 囁(ささや)き交わす
右へ左へ 身殖(ふ)やす如(ごと)く
温(ぬく)き白と 閃(ひらめ)く形
此処(ここ)に 雪といふもの ありし
青き翳(かげ)に伴われ 誰(たれ)そ 見たか と
今は 淺緑の茎葉の下か 明るき青き空の上か
母なるか 懐(なつ)かし と
随分酷い事をするやつだと憤って来ましたが
ほんの少しだけ気の毒に思いました。
以下の句にいちいちコメントする力を持ちませんが
たった半年余りで消しようも無い
お母様を亡くされた深い悲しみ感じます。
ほんとうにどうもありがとうございます …
… 実は 5 ~ 6 年前、夜更けに初めて鳴くのを
聴いてから、書きっ放しにしておいたのを、
此の度また、声を聴いて、想い出し …
… 郭公とかも、そうらしいですが、先に孵った
これらの雛が、未だよたよたして、眼もちゃんと
開いてないようなのに、周りにある本来の卵や、
もしも先に孵って居れば本来の雛も余さず巣から
蹴り出ていく姿は堪らないものですが、自分が
雛だったらやはりやるのだろうな、と … 郭公も
そうなのですが、此の声はどうも胸に沁み、
そのように育たざるを得なかった訳を空しく問うて
いるように聴こえ … 私に訊かれても … という
思いと、慰めてやりたいが … それにつけても …
自分が生きることで、数多の生命が絶たれていく
のは、殆ど全く同じ業なのでは … と … とはいえ、
一生それを背負い続けるのも … さりとて、一度も
省みない、というのも … と、思いが沈んでゆき …
http://www.youtube.com/watch?v=q_jYW_CZrMI
http://www.youtube.com/watch?v=Zm9-TaWCWRM
だんだん音を下げていくからなのか …
こういうふうに何か蹲るように止まっていたり、
http://www.birdfan.net/2005/07/06/1140/
こんなに嘴も脚も黄色いと …
二つ目は、蝉の声が降りしきる中、天水桶に蛹が
一つ浮かんでいて … どうして落ちてしまったのか …
しじま というのは 黙間 のイメージがあったのです
が … 黙 だけで、 しじま でした … 沈黙 というのが、
しじま へ沈んでいく間を、もう少し長く感じさせる
のですね … 蝉の声の合間に、蝉になれなかった
蛹の しじま を聴くように思ったのですが、そういう
絵が多分描けないように、言葉でも書けなかかった …
唯一近いように思う … 閑さや 岩にしみ入る蝉の声
という 芭蕉 の句には、音の背景にあるしじまが、昼
日中の蝉時雨の音が岩のように厚く立ち昇る様子と、
深夜、同じ場所の岩が冷えていき、しみ入っていた
音の名残りも消えていくというような、時間的な差異
や温度的な差異、そして、視覚的なものは、ほぼ同じ
で、明るさだけが異なる、という幾つもの情景が層状
に重なっていて … もとより、そんな物凄いのには
歯も立たないのですが …
… 偶々、木星の声を聴く機会があり、思ったより
高くて囀るような感じで、蝉のこととかを想い出し …
蝉になれなかった蛹を呼んでいるのかな … と …
土星のとかはイメージ通りで … 二つ、オーロラの
処が映っている分の … 木星のようには、あまり
話しかけているようではなく …
http://www.jpl.nasa.gov/multimedia/sounds2/index-nasa.html
ハナムグリは、妹一家と物凄く意思の疎通があり …
別に、仕込んだりしようとしたわけではなく、ただ
自然にそうなって、一緒に暮らしていた … と …
赤い小さな、おもちゃのポリバケツに、ちり紙を
くしゃくしゃ入れた処に、放しておいたら、台所の
窓から近くの花壇や公園のほうへ飛んで行った
ので、行っちゃったね、と思い、そのまま忘れて
いたら、夕方同じ窓から帰って来たとか、アイス
ティーとかに入れる水あめ (?) の小さなパック
に残った水あめに水を差して置いておくと、それ
をなめて、ちり紙の寝床へ入っていくとか、ある
日それに水を入れておくのを忘れてたら、外から
帰って来たと思ったら、戻ってきて、台所に立って
いた妹の頭の周りをぶんぶん飛び回るので、はた
と思い当たり、蜜を溶いた水を入れてやると、降り
てなめて、ちり紙へ戻ったりと…… ただ聞いたまま
を書き …
http://flatbugs.blog76.fc2.com/blog-entry-427.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%82%B0%E3%83%AA
何だか虫って … 猫とか金魚とか鳥とかと同じで …
何でも解ってるんですね … クマムシとかもきっと …
最期は皆挨拶に来るんですね … ヨウムの Alex も
adele 様 の愛犬も、 marc 様 の 愛猫も、 うちの柴
たちも …
最後のは、ただ何となく、季節が廻って、たくさん
咲いて居る映像を見て、集まって話している
みたいだな、と思い … それとも、殆ど同じものが、
三面鏡とか万華鏡とかに映っているようでもある、
と思い … 雪が消えてから咲くようだけど、雪が
あったことは何処かで記憶しているのだろうな …
雪と似た処もあるし … というか … 真似ている … ?
… 雪になりたい … 会いたい … と記憶を辿って
いる … ? … のかも … と …
http://www.norikura.gr.jp/topics/?p=10558
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%83%90%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6
「ちゃっかりコオロギ」を思い出しました。
なにやら、歌の巧いオスの側に居て
メスが近寄って来ると
ちゃっかり先に乗っかってしまうそうです。
これなども汚い生き残り戦略に一つではありますが、どこかしら笑えます。
ハナムグリも子供の頃
よくニセアカシアの樹等を蹴っては
獲ってました。
「花潜」と書くんですね。
こんな所で漢字に出会えるとは。
木星の音も頗る良いです。
どうやら「太陽風」から生じる
プラズマ波のようですね。
ヴォイジャーには限りないロマンをかきたてられます。
>最期は皆挨拶に来るんですね … ヨウムの Alex も
adele 様 の愛犬も、 marc 様 の 愛猫も、 うちの柴
たちも …
愛するものとの別れほど悲しい事はありません。
つまり、この世に生を受ける事の核心は
愛するものに出会う事にあると確信します。
ミズバショウは確か戸隠に行った時に
見たように思います。
やはり雪は無かったですが
あの大きな「白」は忘れられません。