11月3日に投開票が迫った米大統領選はトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領の攻防が最終局面に入った。カギを握るのはラストベルト(さびた工業地帯)の激戦州。「米国第一」で雇用を取り戻したと訴えるトランプ氏と、新型コロナウイルスの感染拡大への無策が雇用を失わせていると批判するバイデン氏が火花を散らす。前回2016年の大統領選では、ラストベルトの白人労働者の支持を取り付けたことがトランプ氏の勝因になった。
トランプ氏は30日、ラストベルトの一角にある中西部ウィスコンシン州グリーンベイで選挙集会を開いた。「私は雇用を取り戻し続けるが、バイデンはいつも米国の労働者を裏切ってきた」。最初に取り上げたのは、雇用の問題だった。同州の9月の失業率は5.4%で、全米(7.9%)を下回る。バイデン氏は上院議員や副大統領として、環太平洋経済連携協定(TPP)やメキシコ、カナダとの自由貿易協定(FTA)を推進した。その政策が米国から雇用を流出させたと決めつけ、大統領にふさわしくないと印象づけようとした。バイデン氏はその数時間後、同州ミルウォーキーの空港で開いた少人数の集会でトランプ氏に応戦した。「ウィスコンシンは2万人もの製造業の雇用が失われた」。トランプ氏の新型コロナ対応が拙劣なため、雇用が打撃を受けたと攻撃した。同州の新型コロナの新規感染者は1カ月前の2倍近くに急増しており、トランプ氏のコロナ対策の「無策」ぶりをやり玉に挙げた。
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政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクスがまとめた各種調査を平均した支持率ではバイデン氏のトランプ氏に対するリードは7.9ポイントあるが、中西部ではオハイオ州で横並び、アイオワ州で1.2ポイントにとどまるなど接戦が目立つ。
しかし、これまでトランプ氏が強みとしてきた非大卒の有権者が離反している兆しもある。米紙ワシントン・ポストの最新の世論調査によると、ウィスコンシン州での非大卒の有権者ではバイデン氏への支持率(49%)がトランプ氏(48%)を上回った。新型コロナに端を発する雇用情勢の悪化に不満を強めている可能性がある。(*日経 記事より)図も。 . . . 本文を読む