秩父方面には今迄行ったことがなかった。知っているのは秩父セメントと秩父鉄道。地図上で山に囲まれていること観光その他の特色などの知識も無かった。
とりあえず一度は訪れてみたかったので快晴の土曜日の午前中にバイクで出かけてみた。青梅市から53号線を通って299号線で秩父市までだが53号線沿いの名栗湖近くも含めて川辺で泳いだり遊んでいる場所が多々見られる。ツーリングでこういう場所を見ると、今度ここでバーベキューなどしてみたいなと思うのだが未だかつて実現した試しがない。
お腹が空いたと思っていたら「うどん」の案内板が目に付いたのでそれに従って行くと有馬ダムのほとりで風が気持ちよい。「うどん」をうたっているので関西ふうの出汁を期待していたが関東の山奥でそんな訳はない。しかし醤油があまりキツくなく程好い味で麺もシコシコとして「かけうどん」400円に満足し外の休憩所で横になったら風が心地よくてひと眠りしてしまった。「しばづと」というほう葉で包んだ赤飯といい隣の席で喋っていたおっちゃん達の会話といい土地の個性がしっかり味わえて出発地から数十キロの距離にもかかわらずずいぶん遠くへツーリングした気分だ。
さて再び走ってひと山超えるのだが狭くなったり七曲りの道はバイクで楽しむにはもってこいだ。しかし90ccのスクーターや125ccくらいのオフロードバイクのほうが速かったりするので己の運転技術の未熟さを素直に認めて「どうぞお先に」となるのだが、まあこれもそこそこのスピードでも機械の鼓動感が楽しめるハーレーの個性ゆえだろう。
峠を越えて299号線に入り緩やかに下って行くと秩父市がどーんと開けて見えてくる。確かに山々に囲まれた盆地だ。巡礼の札所案内があちこちにあるので信仰心に厚い土地か?とネットで検索してみると・・・鎌倉時代に仏教が広まって云々、700年代に純度の高い銅が産出されるようになりそれを記念して和同開珎という貨幣が鋳造される・・・なるほど昔から栄えていたわけだ。フーム、今日はいい勉強になったぞ!と町の入り口あたりのコンビニ駐車場にバイクを停めてそんなことをやっていたがそろそろ帰る時間だ。町は一望出来たし日帰りツーリングとしてはじゅうぶんということでコンビニで買ったアイスクリームを食べ終わってバイクに跨がる。一人でツーリングするときは目的地に着いたらサッサと引き返すのとお腹にもたれず栄養補給が出来るアイスクリーム(勝手にそう思っている)がいつものパターンだ。
行きは西陽の関係で見えなかったが復路では石灰岩を削り取られた山がよく見えて山まるごとえぐられているふうでその岩肌が地層のように段差がある。これは同じく石灰岩の産地である山口県美祢市とは異なるような気がする。
などと風景を楽しみながら峠に向かうのであった。