Def Leppard - Hysteria (Long Version)
前の記事『心の音楽のふるさと Pride (In The Name Of Love) / U2』で、クリーンなギターサウンドに感銘を受けたことを書いた。実はあともう2曲、クリーンなギターの音にものすごく痺れた楽曲があって、そのうちのひとつがこのDef Leppardの"Hysteria"であります。あともうひとつが同アルバムに収録されている”Animal”で、こちらについては後日触れることにします。"Hysteria"は1987年夏にリリースされた彼らの4作目アルバム『Hysteria』と同名の曲で同年11月に3枚目のシングル・カットとして売り出された。ビルボードシングルチャートでは最高10位を記録。英国チャートでは26位止まりで、母国よりもアメリカの方でウケたところが興味深い。
アルバムの『Hysteria』といえば、世界的に大ヒットしたモンスター作品で、わしも当時毎日のように聴いていた思い出深い作品。いろいろな音が精巧に組み立てられていて、1回聴いただけではこのアルバムの凄さはわからない。何度も何度も繰り返し聴くたびに、新たな発見があるという、噛めば噛むほど味わいが出てくるスルメのような非常に奥が深い作品であった。英国ではバンドとって初めて1位を獲得した記念碑的作品で108週にわたってトップ100にランクインしていたという超ロングセラー。アメリカでも1位を記録。いったん1位から陥落してから、しばらくしてまた1位に復活するとい離れ業を2度もやってのけた。
楽曲の"Hysteria"に話を戻すと、パッと聴いただけでは、クリーンなギターのリフが印象的な、わりとポップな作品、で片付けられてしまいそう。しかし、よーく聴くと、ギターの音を幾重にも重ねて録音することによって生まれた非常に複雑な響きであることがわかってきてじわじわと圧倒される。歪んだギター一辺倒ではなく、こうした楽曲を組み合わせることによって、緩急が生まれて、何度聴いても飽きのこないアルバムに仕上げることに貢献している。夏に海沿いをドライブするときのBGMとしても最適で、景色がより絵画的に美しくなるような気がした。
というわけで、音楽の原風景がなぜか湘南の海岸の景色と重なったという、極めて個人的な思い出ではあるけれど、懐かしさを感じる1曲であります。