Queensryche - I Don't Believe In Love (Official Music Video)
今まで衝撃を受けたHR/HMのアルバムはいくつかあるけれど、間違いなくトップ5に入るのが、シアトル出身のQueensrycheが1988年に発表したサード・アルバム『Operation: Mindcrime』。バンドにとっても大きな商業的成功を収め、ミリオン・セラーとなり1991年にプラチナム・ディスクを獲得する。
ストーリー仕立てのコンセプト作品で、曲間に登場人物のセリフや効果音が収録されており、まるで、一遍の映画を観ているような感覚で音楽が進んでいく。。。
主人公のニッキーはある犯罪組織に雇われている麻薬中毒の殺し屋。自分の任務は革命のためと信じ込み、麻薬欲しさに犯行を繰り返す。ニッキーにとって唯一の心の慰めはシスター・メアリー。ある日、犯罪組織の親玉ドクターXから次のミッションが伝えられる。「Kill her. She is a risk. That's all you have to do, and get the priest as well..彼女(シスター・メアリー)を殺せ。生かしておくと危険だ。それがお前の任務だ。神父も殺せ」このミスターXのセリフはインパクト絶大で、そこから物語はとんでもない方向に進んでいくことが暗示されていて未だに覚えてます。ニッキーは神父だけを殺してメアリーと一緒に逃げようと企てるが、果たして二人の運命は!?
というわけで、素晴らしい曲がこれでもかと綺羅星の如く並んでいて、捨て曲はもちろんナシ。初めて聴いたときのショックの大きさはすごかった。聴き終わった後に、じわっと残る余韻の深さが、とんでもなくすごい作品に出会ったんだという実感に変わっていった。一回聴いて終わりはもったいない。何度も何度も繰り返し聴いてストーリの本当の意味やバンドが何を言いたかったかを考えたい。そんなことを思わせてくれるアルバムは滅多にない。実際、学生時代に毎日のように聴いていた、とても思い出深い作品。
ちなみに、2006年に続編の『Operation: Mindcrime II』が発表された。おそらく、CDを買って聴いたはずだけど、残念ながらこちらはほとんど印象に残っていない。。。随分と年月が経ったので、改めてⅠとⅡを続けて聴いてみたい気もする。『オペレーション:マインドクライムI&II - コンプリート・ライヴ』というライブ映像作品が存在するので試しに買ってみようかな。
話を『Operation: Mindcrime』に戻すと、個人的にもっとも好きな収録曲は"Breaking the Silence"なのだが、よい動画が見つからなかったので、今回はその次くらいに好きな "I Don't Believe In Love"をもってきた。この曲は1990年にグラミー賞のBest Metal Performanceにノミネートされる。
このアルバムよりも莫大なセールスを記録した作品は世の中にもちろんたくさん存在する。セールスの大きさと個人的な好み・内容のインパクトは必ずしも比例しない。『Operation: Mindcrime』は、HR/HMの可能性を大きく広げた作品であり、個人的にも深く思い出に残っているし、これからも自分にとって大切な作品という意味で、このアルバムは末永く大事にしたい。