今回は、2007年8月に訪れた滋賀県野洲市三上に鎮座する御上神社の紹介です。御上神社へは、名神高速道 東央湖南ICより北へ5㌔ 東海道本線 野洲駅から2.5㌔の位置に鎮座しています。
社地のすぐ東には近江富士と呼ばれる御上神社の神体山「三上山」が聳えます。
三上山(432m)
一歩境内に足を踏み入れると神域ならではの独特の雰囲気が感じられます。
楼門(国重文)
見た目は一般的な三間一戸の楼門ですが上層の頭貫に木鼻がついてます。これは、禅宗様の様式で見られるもので14世紀の神社建築の様相を今に伝える貴重なものだそうです。
隋神像 一対
拝殿(国重文)
本殿(国宝)神社・寺院・殿舎の様式を混合させたような形になっていて、その独特な構造から「御上造り」と呼ばれることもある そうです。
参拝は、こちらでする事になりますがいわゆる他の神社で見られる後殿から続く本殿と言うものはありません。
祭祀:天之御影命(あめのみかげのみこと)
由緒:祭神天之御影命は、第七代孝霊天皇六年、三上山に降臨になったので、神孫の三上祝等は三上山の巖の磐境を、神体山と斎い定めて、約一〇〇〇年の間奉斎された。山は標高四二八米で山麓から山頂まで、岩磐が連って山頂には、大きな磐座がある。奈良朝に至って、天正天皇の養老二年藤原不比等が勅命を拝して、飛弾の工匠を造営使として、榧木原と称せられた現在の榧の木で、社殿を造営して奉遷鎮祭された。本殿の背面には、扉を設けてあるが、これは祭典時にお山を拝んだ神体山信仰の遺構を示している。
(引用:滋賀県神社庁より)
由緒は、御上神社のものは分かりにくかったので滋賀県神社庁のものを引用させて頂いたのですが、興味深いのは「山頂の磐座、本殿背面に扉を設けここから神体山を拝した」と言った部分でしょうか。
※ 本殿背後の扉の写真はこちらに掲載されていました。
由緒、本殿案内(写真クリックで拡大)
左側の山が神体山の三上山になります。
山頂に奥宮と磐座がある情報があったのですが、訪れたこの日は残念がら時間の関係でここから遥拝いたしました。
(以下のリンク先に奥宮と磐座の写真が掲載されていました。)
☞関連リンク:
気になったのは、本殿と三上山の位置関係です。神体山が三上山であるなら本殿との位置関係は東西となるはずですが、実際は異なっています。
御上神社の本殿~拝殿の位置関係は南北ですので本殿の背面の扉を開けて神体山を拝する事は出来ないはず…。
特に言及はされていませんが御上神社の由緒に
明治二三年に本殿・拝殿・楼門が特別保護建造物に指定された機会に国庫補助を受けて解体修理の大事業が行われている。
と、ある事から以前は三上山を仰ぎ見る位置関係を大改修により社殿の向きを一般的な東西に改めたのではないかと推測しています。
では、境内の中で西へ向いている(御神体山が東側に位置する)お宮がないか調べたところ三宮神社が西を向いている事が判明しました。
(右)摂社三宮神社(県有文)祭祀:瓊々杵命
(左)摂社大神宮社 祭祀:天照大神
勝手な憶測ですが改修が入る以前までは、こちらが重要なお社だった可能性も考えられます。
最後に三上山には「俵藤太と大ムカデの伝説」と言う伝承があります。MicrosoftのCopilotを利用し要約したものを転載します。
【俵藤太のムカデ退治】俵藤太(たわらのとうた)は、平安時代中期の関東の武将で、弓矢の名手であったことで有名です。ある日、瀬田の唐橋を渡ろうとした籐太は、橋の上に人間の五倍もある大蛇が横たわっているのを見つけました。大蛇は目をギラギラと輝かせて威嚇していましたが、籐太は悠々と大蛇を踏んで渡りました。後ろから呼び止められた籐太は、大蛇の姿はなく、老翁が立っていました。実はその老翁が大蛇に化けていたのです。龍神である老翁は、三上山を七巻半もまいている大ムカデが湖に来て、龍族の仲間をさらっていくので悩んでいると告げました。籐太は退治を承諾し、大ムカデを弓矢で倒すことに成功しました。龍神は感謝の意を示して米俵や釣鐘などの宝物を贈り、籐太は「俵籐太」と呼ばれるようになりましたこの伝説は、御上神社で祀られている三上山の歴史的な背景とも結びついています。御上神社は、俵藤太が大ムカデと戦う前に祈願した場所であり、彼が勝利の決め手となる秘訣を授かったとされています
(撮影:2007年8月)
お断り:2007年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
お断り:2007年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
【マップ】
(たまたまでしょうがGoogleマップで御上神社を検索すると「三宮神社」の位置にピンが立っています。)
次回も楽しみにしてます。
滋賀県神社庁の由緒にはしっかりと記述があるのに、公式は、このことには何も言及されていないんですよね。
あえてそのことには、触れないようにしているみたいです。