↑photo by keiji
2000年の4月にニューヨークへ行って、最も衝撃的だったことのひとつが、village voice誌が無料であることだった。無料で、しかも街中のキオスクみたいな売店と隣り合った中に、歩道の脇の交通安全の横断用黄旗入れのようなボックスに入っていることで、道行く人に配られていくのだ。
そのような情報誌がFreeである、ということが、情報を得るのにはお金がかかるだろうと踏んでいた旅行者にはまったくもって最短の近道だったのに加え、考えてみれば情報代で誰が儲かるのかというと、そういうツーリスト相手に情報代を儲ける専門の人であって、それ以外は誰も儲かりはしない。だから情報なんかタダでくれたってかまわなくて、来て欲しい人と行きたい人の交差点というわけで、交差点に置いてあるという、単純明快さに驚いたのだ。今やいろんなサービスがフリーでもあたりまえだが、意外にもここ最近の話なのである。ちなみに『R25』の創刊は2004年の7月というから、それから4年後のことになる。
ヴィレッジ・ボイスには、ニューヨークで今行われている舞台やライブや美術館情報がきっちりと詰まっていた。だから文字通りライブハウスめぐりのようだった私たちのニューヨーク旅行は、すべてこのヴィレッジ・ボイスで組み立てたのである。夫のメモからライブへ行った記録を抜き出すと以下のようになる。
Mon 3 April Crosby Stills Nash & Young
Wed 5 April Apollo Theater
Fri 7 April Birdland
Sat 8 April Sweet Basil
Sun 9 April Blue Note, CBGB
Mon 10 April irridium Grove Club
このうちApollo Theaterだけは、現地の日本人ガイドからチケットを買ってオプションツアーのようなかたちで出かけた。確か料金は2倍以上したと思う。それでも、どうやってアポロシアターまで行くのか、という問題があったので、やむを得ないところもあったのである。つまり、アポロシアターはアッパーマンハッタン、黒人ばかりが住むエリアにあったからである。
↑Google Street Viewより、2008年のニューヨーク、ブロードウェイ。ニューヨークの交差点近くに配置されているゴミ箱たち。ヴィレッジ・ボイス誌もちょうどこんなふうに歩道の脇に雨が入らないようなフタ付きで設置されていた。
[ニューヨーク2000年滞在記、WTCツインタワーがあった頃。]
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