それはイヤだ、そっちに行くのはイヤだ、と言いつつ「それ」「そっち」へ流れる道を、おのずから創っているのよね。「それ」「そっち」には甘い匂いがある。後ろ髪をつかませる。そして、何だかんだと断ち切れなくさせる。これはあなたの意思ではない。飽きることなく肥え続ける別存在だ。
人生は逆転を考えるといろいろと苦しい。起点がいつも過去だと、今と未来は、過去の修復のために存在させるものになってしまう。人の生は、ただただ流れていく。そのなかで、アップダウンは当然ある。
ダンス。常に次へと繋がる一つ一つの指先が、ステップが、表情が。まるで人生。