貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

カーボランダム

2025-01-05 10:49:44 | 人工鉱物

「何じゃこりゃ」がまた。
カーボランダム Carborundum。



人工の炭化ケイ素結晶。一般的には「シリコン・カーバイド(silicon carbide)」。カーボランダムという呼称は19世紀末に工業化した会社の商品名から。
またの名をモアッサナイト(Moissanite)。そう、あの美しい人工宝石と同じなのです。「これ、モアッサナイトの原石だぜ」と言って出したら驚かれそう。(詐欺はやめなさい)

組成は SiC で、炭素とケイ素の1:1の化合物。天然では隕石やキンバーライトの中にごく稀に見つかるだけ。
《ダイヤモンドとシリコンの中間的な性質を持ち、硬度、耐熱性、化学的安定性に優れることから、研磨材、耐火物、発熱体などに使われ、また半導体でもあることから電子素子の素材にもなる。》
ということで今は特許が切れてばんばん作られて利用されている。日本では屋久島で作られているとか。
これはその途中品かな。中国産。長さ27ミリ。なんとヤフオクで250円。(また安さ自慢か)
しかしこれ、美しいのですよ。結晶表面が虹色にキラキラと輝く。




写真じゃうまく伝わらない。動画はこちら

こういう虹色キラキラは「虹の石」とか「ピーコック・オア」とかいろいろありますけど、このカーボランダムは輝きがとても強い。なんてったってモアッサナイトですからね。
前にも書きましたけど、モアッサナイトは屈折率2.65~2.69でダイヤモンドの2.42より高く、分散度も0.104でダイヤモンドの0.044より大きい。すげえ。さらにダイヤモンドは複屈折なしなのに対してモアッサナイトは六方晶系で複屈折あり。つまり干渉による色彩変化や方向変色(多色性)がある。熱伝導率でも、ダイヤモンドの2000にはかなわないけど、モアッサナイトは490と図抜けている。だから、触るととても冷たい。さらに硬度もダイヤの10にはかなわないけど9.25~9.5でトパーズより硬い。靭性も耐熱性もダイヤより高い。と、すんばらしい石なのですね。
同じような人工鉱物で超高純度シリカのテラヘルツというのは、ヒーリング界隈で人気ですけど、これはそういう効果はあまりないのか、あんまり出回っていないみたい。
これから出るのかな。観賞石としてもとてもいいのではないかと思います。


謹賀新年

2025-01-01 12:31:31 | 漫筆

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

オレンジカルサイトの大玉でごわす。カミさんのもの。
118ミリと巨大。足の上に落としたら骨折する。

オレンジカルサイトはかなり前、ヒーリングストーンとしてたくさん出回ったらしいけど、最近はあまりいいものは出ないらしく、下火。
実は、もう一つ50ミリくらいのちょっと白っぽい丸玉と2個合わせて、ヤフオクでなんと759円という超破格値でゲットしたもの。出品者はいろんなものを扱っている骨董品屋さんらしい。石屋さんではこういう値段は付かない。ラッキーでした。(また安さ自慢かいなw)

しかし、新暦の1月1日というのは、なんか中途半端で収まりが悪いですねえ。
旧暦正月の2月頭だと、まあ日が長くなって春がやって来るという感じはある。でもそれも「年の始め」かというと、少し違う気もする。
ほんとだったら、冬至の次の日、太陽が復活する日が1年の始まりであるべきではないか。太陽、お天道様こそが地球生命の根源なのだから。
しかし冬至祭や夏至祭は、日本でも他の国でも、あんまり派手な祭になってはいない。
冬至の方はクリスマスに紛れてしまっているし、夏至の「聖ヨハネ祭」なんて誰も知らない。両方ともケルト文化の古代的祭祀をキリスト教的に読み替えてしまったもの。
どうもここから考えると、古代の太陽信仰を、その後の文明はわざと覆い隠し、潰してしまったのではないかと邪推したくなる。昔から、支配者は土着の宗教・神話を潰してきたからね。日本の記紀神話だって(やめときなさい)
しかしだからといって冬至の翌日に「新年おめでとう」などと叫んでもアタオカ扱いされるだけだから、おとなしく現行の暦に従って「謹賀新年」と言うしかない。(しかしひねくれてるねw)

何はともあれ、世界はますますきな臭くなっているし、太陽の活動も乱調気味のようですけど、皆さま、よいお年でありますように。