春のマイル王決定戦第56回安田記念(GI)。今年も香港から3頭が参戦して、より一層面白さが増した。迎える日本勢は、GI馬ダイワメジャー、ダンスインザムード、オレハマッテルゼらが主力を形成。昨年のマイル王ハットトリック、アサクサデンエンは海外遠征明けで仕上がり状態がポイントに。
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【オレハマッテルゼ】
前走の京王杯SC1着は押し出されるようにハナへ。どの馬にも競りかけられることなく3~4角で息を入れる。そこから、待ったままの抜群の手応えで11秒2-11秒4と加速。ラスト1ハロン地点からようやく追い出しを開始して余裕の完勝。目下の充実ぶりを印象付ける内容だった。前々走の高松宮記念1着で悲願のGI制覇。スプリント戦としては遅い流れを楽に好位追走。各馬がアクションを起こした4角でも持ったまま。直線で追い出されると、一瞬の切れ味で差し切った。小回りで決め手の甘さをカバーできた。追って切れる脚を使えるタイプではない代わりに、抜群のスピード性能を誇る。幾度のレースがラスト1ハロン地点まで持ったままの手応えであることが、それを証明している。今回は激流が予想される府中のマイル戦。1ハロン距離が長く、底力が要求される流れで差し脚が生きるのか疑問。
【ダンスインザムード】
前走のVマイル1着は久々の勝利がGI。道中はマイネサマンサの作るスローの流れを5番手のイン。遅い流れでも引っ張り切りの手応えで何とか折り合った。4角から直線にかけても抜群の手応え。いつ抜け出してもおかしくなかったが、鞍上の北村宏騎手はギリギリまで追い出しを我慢。残り1ハロン地点で満を持して追い出されると、ビュッと鋭い末脚で加速。そのまま他馬の追随を許さなかった。上がり3ハロンは33秒8。絶好の手応えでも仕掛けを焦らなかった鞍上の判断は素晴らしかった。前々走のマイラーズC2着は不得手の休み明けでもイレ込み癖を見せず、成長した姿を披露。3走前のマイルCS3着ではダイワメジャーが強気に攻めた厳しい流れを先行して踏ん張った。今は心身ともに充実している。牡馬相手でも通用する能力はあるし、内枠を引いてロスなく立ち回れれば。
【ダイワメジャー】
前走のマイラーズC1着はPマシーンの作る緩い流れを3番手追走。うまく流れに乗って直線入り口で楽々と前を捕らえると、そのまま押し切った。58㌔も全く関係なかった。前々走の中山記念2着は道悪で勝ち馬を捕らえきれなかった。3走前のマイルCS2着はローエングリンの作る締まった流れを2,3番手追走。そこから早めに前を捕らえて押し切ったかに見えたが、最後は勝ち馬の決め手が上回った。昨年のこのレースは8着。先行馬に厳しい流れを直線の追い比べで屈した。この馬の持ち味はスピードで押し切る圧倒的な競馬。これを生かすには直線の短いコースでこそ。直線の長い府中では仕掛けどころが難しくなる。それが府中に実績のない点だろう。
【ハットトリック】
前走は海外遠征。ドバイの重い馬場が合わなかったとのこと。前々走の中山記念12着は不得手の道悪。コーナー4回の中山1800㍍で持ち味を生かせなかった。昨秋のマイルCSではローエンの作る締まった流れを、Dメジャーが早めに押し切りを図る。それをラスト1ハロンで猛烈な追い込みを見せて差し切った。上がり3ハロンは33秒3。勝負どころで見せるズブさは相変わらずだが、加速してからの切れ味は凄まじい。決め手の高さはNO.1。勿論、直線の長い府中は歓迎のクチ。テン乗りの鞍上がどう乗るのか。休み明けは動かない傾向があるが、中間はしっかり乗り込まれている。
【テレグノシス】
前走の京王杯SC3着は例によって最後方から。勝ち馬がまんまと逃げ切る流れを伸びの悪い大外へ持ち出すロスがあり、そこから長くいい脚を発揮して迫るも3着まで。だが、展開、馬場、コース、それらが不向きだったことを考えれば負けて強の内容といえる。7歳馬でも全く衰えはない。昨年のこのレースは6着。最後方から直線の末脚に賭けた。長くいい脚を使って懸命に追い込むも、最後は脚色が止まり気味に。1分32秒台前半の決着で限界があったのかも。今回もBコース替わりでグリーンベルトが。パンパンの良馬場の時計勝負では厳しい面も。雨で多少渋るか、スローの時計の掛かる競馬なら。鞍上強化は魅力的。
【アサクサデンエン】
ここ2走の海外遠征は環境の変化に戸惑いを見せたとのこと。3走前の天皇賞4着は休み明けで急仕上げが囁かれたが、超スローの流れを好位から33秒2の脚で応戦した。どちらかといえばエンジンの掛かりの遅いタイプで平均ペース以上が向くタイプ。それを考えれば及第点。昨年のこのレースは厳しい流れを中団から息の長い末脚で差し切り勝ち。日香の強豪馬を差し切った末脚は紛れもなく本物だった。勝ち時計1分32秒3も文句なし。府中マイル戦はベスト舞台。今回は海外遠征明けで仕上がりがポイントに。一応は態勢が整った感じ。
【メイショウボーラー】
前走のかきつばた記念4着は発馬で後手を踏み、落鉄。名古屋の深い砂も向かなかった。前々走のフェブラリーS15着は暴走ラップで失速。致し方ない。今回は久々の芝。朝日杯FS2着、皐月賞3着の実績はあるが、良馬場の決め手勝負では辛い。渋った馬場にならないと。
【カンパニー】
前走の大阪杯1着は道悪、強風という悪条件。それを後方のインでギリギリまで脚をタメる。そこから勝負どころで外目へ持ち出して乱戦に終止符を打った。最後まで衰えなかった集中力は高く評価したい。昨秋の京阪杯1着では上がり3ハロン33秒9の末脚で後続を突き放した。昨年のこのレースは5着。直線入り口で狭いところに入っても怯まず、最後まで脚色は衰えなかった。終いの決め手は相当なもの。問題はマイル戦で前半に脚を使わされること。今なら宝塚記念のほうが向いているか。この中間は一頓挫あった。速い時計は坂路2本。最終追いは動いた。
【バランスオブゲーム】
前走の中山記念1着は道悪。逃げ馬不在で意を決してハナへ。その後はマイペースに持ち込み、追い込みの利かない馬場の恩恵を利して逃げ切り。昨年のマイルCS5着はローエングリンの作る締まった流れを3番手から懸命に粘り、ゴール前まで粘りを見せるも止まってしまった。ワンペースの走りでどうしても決め手不足を露呈してしまう。良馬場では善戦止まり。雨で渋れば。
【グレイトジャーニー】
前走の京王杯SC5着は久々の1400㍍。道中は後方で末脚をタメる。直線でギリギリまで追い出しを我慢。坂を上る辺りから仕掛けると、一瞬にして馬群を縫うように伸びる。最後まで脚色は衰えなかったが、如何せん前も楽をしていた。前々走のダービー卿CT1着はスローの一貫した流れを中団から上がり3ハロン33秒2の素晴らしい切れ味で一気の差し切り勝ち。一瞬の切れ味の凄まじさを見せ付けた。急がせると末をなくす傾向にあり、今回もギリギリまで追い出しを我慢させることがテーマ。果たしてGIのペースで脚をタメることができるか。ディープインパクトの併走パートナーを務めることで自身も力を付けてきた。
【インセンティブイガイ】
前走の京王杯SC2着はそれまでの先行策とは打って変わって後方で脚をタメる作戦。発馬で後手を踏んで鞍上が意を決したファインプレー。終始、ロスなく立ち回ると、直線で狭いところを割って一瞬の脚を使い、追い込んだ。前々走のダービー卿CT11着はスローの流れをやや発馬で後手を踏み、仕掛けて好位追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、見せ場なく大敗。脆さのある馬で、発馬で後手を踏む→仕掛けて先行→掛かって惨敗のパターンは、昨年のキャピタルS10着が良い例。前走後に鞍上が話したようにこの馬自身のペースで走ったほうがいい。その意味で出たなりの競馬は合っている。1ハロンの距離延長は実績的に問題ないが、前走はロスなく立ち回りながら、最後は脚が止まり気味。不利な大外から追い込んだテレグノシスのほうが脚色優勢だった。
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前走の京王杯SC1着は押し出されるようにハナへ。どの馬にも競りかけられることなく3~4角で息を入れる。そこから、待ったままの抜群の手応えで11秒2-11秒4と加速。ラスト1ハロン地点からようやく追い出しを開始して余裕の完勝。目下の充実ぶりを印象付ける内容だった。前々走の高松宮記念1着で悲願のGI制覇。スプリント戦としては遅い流れを楽に好位追走。各馬がアクションを起こした4角でも持ったまま。直線で追い出されると、一瞬の切れ味で差し切った。小回りで決め手の甘さをカバーできた。追って切れる脚を使えるタイプではない代わりに、抜群のスピード性能を誇る。幾度のレースがラスト1ハロン地点まで持ったままの手応えであることが、それを証明している。今回は激流が予想される府中のマイル戦。1ハロン距離が長く、底力が要求される流れで差し脚が生きるのか疑問。
【ダンスインザムード】
前走のVマイル1着は久々の勝利がGI。道中はマイネサマンサの作るスローの流れを5番手のイン。遅い流れでも引っ張り切りの手応えで何とか折り合った。4角から直線にかけても抜群の手応え。いつ抜け出してもおかしくなかったが、鞍上の北村宏騎手はギリギリまで追い出しを我慢。残り1ハロン地点で満を持して追い出されると、ビュッと鋭い末脚で加速。そのまま他馬の追随を許さなかった。上がり3ハロンは33秒8。絶好の手応えでも仕掛けを焦らなかった鞍上の判断は素晴らしかった。前々走のマイラーズC2着は不得手の休み明けでもイレ込み癖を見せず、成長した姿を披露。3走前のマイルCS3着ではダイワメジャーが強気に攻めた厳しい流れを先行して踏ん張った。今は心身ともに充実している。牡馬相手でも通用する能力はあるし、内枠を引いてロスなく立ち回れれば。
【ダイワメジャー】
前走のマイラーズC1着はPマシーンの作る緩い流れを3番手追走。うまく流れに乗って直線入り口で楽々と前を捕らえると、そのまま押し切った。58㌔も全く関係なかった。前々走の中山記念2着は道悪で勝ち馬を捕らえきれなかった。3走前のマイルCS2着はローエングリンの作る締まった流れを2,3番手追走。そこから早めに前を捕らえて押し切ったかに見えたが、最後は勝ち馬の決め手が上回った。昨年のこのレースは8着。先行馬に厳しい流れを直線の追い比べで屈した。この馬の持ち味はスピードで押し切る圧倒的な競馬。これを生かすには直線の短いコースでこそ。直線の長い府中では仕掛けどころが難しくなる。それが府中に実績のない点だろう。
【ハットトリック】
前走は海外遠征。ドバイの重い馬場が合わなかったとのこと。前々走の中山記念12着は不得手の道悪。コーナー4回の中山1800㍍で持ち味を生かせなかった。昨秋のマイルCSではローエンの作る締まった流れを、Dメジャーが早めに押し切りを図る。それをラスト1ハロンで猛烈な追い込みを見せて差し切った。上がり3ハロンは33秒3。勝負どころで見せるズブさは相変わらずだが、加速してからの切れ味は凄まじい。決め手の高さはNO.1。勿論、直線の長い府中は歓迎のクチ。テン乗りの鞍上がどう乗るのか。休み明けは動かない傾向があるが、中間はしっかり乗り込まれている。
【テレグノシス】
前走の京王杯SC3着は例によって最後方から。勝ち馬がまんまと逃げ切る流れを伸びの悪い大外へ持ち出すロスがあり、そこから長くいい脚を発揮して迫るも3着まで。だが、展開、馬場、コース、それらが不向きだったことを考えれば負けて強の内容といえる。7歳馬でも全く衰えはない。昨年のこのレースは6着。最後方から直線の末脚に賭けた。長くいい脚を使って懸命に追い込むも、最後は脚色が止まり気味に。1分32秒台前半の決着で限界があったのかも。今回もBコース替わりでグリーンベルトが。パンパンの良馬場の時計勝負では厳しい面も。雨で多少渋るか、スローの時計の掛かる競馬なら。鞍上強化は魅力的。
【アサクサデンエン】
ここ2走の海外遠征は環境の変化に戸惑いを見せたとのこと。3走前の天皇賞4着は休み明けで急仕上げが囁かれたが、超スローの流れを好位から33秒2の脚で応戦した。どちらかといえばエンジンの掛かりの遅いタイプで平均ペース以上が向くタイプ。それを考えれば及第点。昨年のこのレースは厳しい流れを中団から息の長い末脚で差し切り勝ち。日香の強豪馬を差し切った末脚は紛れもなく本物だった。勝ち時計1分32秒3も文句なし。府中マイル戦はベスト舞台。今回は海外遠征明けで仕上がりがポイントに。一応は態勢が整った感じ。
【メイショウボーラー】
前走のかきつばた記念4着は発馬で後手を踏み、落鉄。名古屋の深い砂も向かなかった。前々走のフェブラリーS15着は暴走ラップで失速。致し方ない。今回は久々の芝。朝日杯FS2着、皐月賞3着の実績はあるが、良馬場の決め手勝負では辛い。渋った馬場にならないと。
【カンパニー】
前走の大阪杯1着は道悪、強風という悪条件。それを後方のインでギリギリまで脚をタメる。そこから勝負どころで外目へ持ち出して乱戦に終止符を打った。最後まで衰えなかった集中力は高く評価したい。昨秋の京阪杯1着では上がり3ハロン33秒9の末脚で後続を突き放した。昨年のこのレースは5着。直線入り口で狭いところに入っても怯まず、最後まで脚色は衰えなかった。終いの決め手は相当なもの。問題はマイル戦で前半に脚を使わされること。今なら宝塚記念のほうが向いているか。この中間は一頓挫あった。速い時計は坂路2本。最終追いは動いた。
【バランスオブゲーム】
前走の中山記念1着は道悪。逃げ馬不在で意を決してハナへ。その後はマイペースに持ち込み、追い込みの利かない馬場の恩恵を利して逃げ切り。昨年のマイルCS5着はローエングリンの作る締まった流れを3番手から懸命に粘り、ゴール前まで粘りを見せるも止まってしまった。ワンペースの走りでどうしても決め手不足を露呈してしまう。良馬場では善戦止まり。雨で渋れば。
【グレイトジャーニー】
前走の京王杯SC5着は久々の1400㍍。道中は後方で末脚をタメる。直線でギリギリまで追い出しを我慢。坂を上る辺りから仕掛けると、一瞬にして馬群を縫うように伸びる。最後まで脚色は衰えなかったが、如何せん前も楽をしていた。前々走のダービー卿CT1着はスローの一貫した流れを中団から上がり3ハロン33秒2の素晴らしい切れ味で一気の差し切り勝ち。一瞬の切れ味の凄まじさを見せ付けた。急がせると末をなくす傾向にあり、今回もギリギリまで追い出しを我慢させることがテーマ。果たしてGIのペースで脚をタメることができるか。ディープインパクトの併走パートナーを務めることで自身も力を付けてきた。
【インセンティブイガイ】
前走の京王杯SC2着はそれまでの先行策とは打って変わって後方で脚をタメる作戦。発馬で後手を踏んで鞍上が意を決したファインプレー。終始、ロスなく立ち回ると、直線で狭いところを割って一瞬の脚を使い、追い込んだ。前々走のダービー卿CT11着はスローの流れをやや発馬で後手を踏み、仕掛けて好位追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、見せ場なく大敗。脆さのある馬で、発馬で後手を踏む→仕掛けて先行→掛かって惨敗のパターンは、昨年のキャピタルS10着が良い例。前走後に鞍上が話したようにこの馬自身のペースで走ったほうがいい。その意味で出たなりの競馬は合っている。1ハロンの距離延長は実績的に問題ないが、前走はロスなく立ち回りながら、最後は脚が止まり気味。不利な大外から追い込んだテレグノシスのほうが脚色優勢だった。
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