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2022年は客観的な予想を心がけます。

天皇賞・春(GI)回顧

2007-05-03 22:42:12 | 回顧
【馬場】D。高速馬場。しかし、内側はボコボコしていて外差しが決まる。

13.2 - 11.9 - 11.8 - 11.6 - 11.8 - 11.6 - 11.8 - 13.0 - 12.9 - 12.4 - 13.0 - 12.5 - 11.8 - 11.2 - 11.3 - 12.3

【展開】ユメノシルシ、マイソールがハナ。1角手前の7ハロン目まで11秒台のラップが刻まれる厳しい展開。縦長の流れ。1~2角向こう正面にかけてペースが緩み、3角の上り坂で流れが落ち着いたところを後続が一気に差を詰めて馬群が固まる。デルタ、トウショウが先に動き、連れてメイショウサムソンも早めの仕掛け。4角から直線半ばまで11秒2-11秒3と激しい攻防。最後は根比べ。

 2冠馬の底力を見せつけメイショウサムソンがダービー以来のGI制覇を成し遂げた。昨秋は調教でも緩慢な動きで状態は一息だったが、今春は首をうまく使った重心の低いフォームで明らかに良化していた。それがDWで6ハロン77秒台の猛時計に繋がった。道中は縦長の速い流れを中団から悠然と追走。折り合いもスムーズで流れの落ち着いた3角の上り坂で前との差を詰め、下り坂で早めのスパート。4角で一気に先頭へ躍り出ると自身は11秒1-11秒3の強烈な脚を発揮。食い下がる先行馬を突き放し、迫るエリモ、トウカイの猛追を振り切っての戴冠。完全復活を印象付けた。好位で中途半端に立ち回るより中団追走から早めのスパートする形が合っている。スタミナ満点だった。

 勢いに乗る4歳馬エリモエクスパイアは本当に惜しかった。3週前から福永が普段の調教から跨り息を整えてきた。その甲斐あって最終追い切りでは完璧なスパーリングを披露した。大外枠発走から最初の難関である下り坂。ここで勢い余って折り合いを欠いてしまうのではと懸念したが、鞍上が何とかなだめてクリア。その後は淀みない縦長の流れでプレッシャーを受けることなく追走。折り合いも完璧。馬群が固まり外から有力どころが早めにスパートした4角でも慌てることなく手綱をガッチリ抑えて我慢我慢。直線で満を持して外めへ持ち出すと、大きなフットワークで一完歩毎に詰め寄る。一旦はサムソンと鼻っ面を並べるも、ゴール前で逆手前になってしまい失速。本当に惜しかった。まだ馬が若い。強靭なスタミナとフットワークは今後を楽しみにさせる。

 トウカイトリックはゲート内でチャカつき騎手が下馬するアクシデント。それでも、道中は前から6番手のいい位置に付けての競馬。1角でインに潜り込むとそこからは経済コースを通ってロスのない競馬。三分三厘で馬群が固まった時は動くに動けない形だったが、逆に脚をタメることに成功。直線で内に切れ込むと一気の脚で突き抜ける。一旦は先頭に立つも、馬体を併せることができず伸び切れなかった。完全に差す競馬が板に付いたし、高速決着も何ら問題なかった。強くなっている。

 アイポッパーはゲート内で待たされた影響で馬が力んでしまい、行き脚がつかず後方からの競馬。多頭数だけに動くに動けない展開。流れの落ち着いた3角の上り坂で一気に差を詰めるも依然として位置取りは最後方。直線で大外からメンバー最速の上がりを繰り出すもとき既に遅し。完全に脚を余してしまった。鞍上には馬の力を信じて強気の競馬をしてもらいたかった。

 トウショウナイトは生涯最高の仕上げと言っていいくらいの熱のこもった調教を課された。その甲斐あって-12㌔と馬体が絞れていた。道中は好発を決めて4番手から積極的な立ち回り。横のデルタと共に残り800㍍付近の下り坂からのロングスパートを試みる。だが、外からビッシリと2冠馬に競られてかなりの厳しい展開。直線で武士沢の懸命な左ステッキが注入されるも、もう突き抜けるだけの脚はなかった。速い流れを早めの仕掛けで外から競られては仕方なし。高速決着でよく頑張っている。価値のある5着だった。

 トウカイエリートは大トビで長距離が合っている。直線で一瞬の脚は示している。外めを回るロスもあった。パンパン馬場なら力出せる。

アドマイヤタイトルは腰に力が付き切っていないために出負け。道中は中団のインで脚をタメるも4角の下り坂で抑えきれずに大外を通っての進出。それでも直線で一瞬は見せ場を作った。これからの馬。

 デルタブルースはこの高速馬場が向かなかったのだろう。三分三厘までは良かったが。調教も軽かったのか。