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京都牝馬S回顧

2011-01-30 23:27:25 | 回顧
【馬場】今週よりBコース。外差しが決まりやすい馬場。

12.7 - 11.0 - 11.7 - 12.4 - 11.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3=1:33.7
(35.4-34.0)

勝ったのはショウリュウムーン。この中間は坂路で好時計を連発し、良いデキをキープしていた。発馬直後は左にヨレて行き脚がつかず。その後は無理することなく道中は中団馬群で脚を温存。流れが落ち着いた3角手前では抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。3ハロン目から11秒7-12秒4とレースの流れが落ち着いたことで4角を回っても馬群がギュッと固まる。ショウリュウ自身も4角でビッシリと壁ができて進路がない状態。しかし、直線入口でヤマカツとケイアイの間にできた隙間を見逃さず一気にスパート。瞬時の加速力で馬群を突破する。少しでも遅れていたらブロードに進路を取られていた。そこから何度も手前を替える悪癖を覗かせるも、鞍上の懸命な手綱捌きと右ステッキでグングン加速。素晴らしい瞬発力を発揮した。特殊ハミの効果でモタれる面もマシだった。

 ヒカルアマランサスは池江郎厩舎で渾身の仕上げだった。発馬直後は行き脚がつかず手綱を押しながらの追走。これはいつもどおり。レースの流れが落ち着いたことで馬群から離されずに先頭から6馬身圏内で追走する。ズブいタイプだけに4角の下り坂から手綱を押して少しずつ加速し、直線は馬場の良い大外へ。グングンと大きなフットワークで加速し、一気に先団へ。ラスト1ハロン地点で内からケイアイが膨れてきても怯まない。最後は右手前に替えてグイッともうひと伸び。勝ち馬には届かなかったが、マイルの直線の長いコースで持ち味を存分に発揮した。ズブくて小回りでは力を発揮できないタイプ。アテにしづらいが力はある。

 急成長のサングレアズール。絶好の動きを見せた攻め馬からデキの良さは明白だった。元来、行きたがるところがあるタイプで1ハロンの距離延長と相手強化。かなり条件は厳しかったが、結果を出した。フワッとした発馬から鞍上は無理することなく馬任せでポディションを取りに行く。スッと好位のインを取りに行くが、馬場の悪い内1頭分は開ける。これは逃げるジュエルがバテることも想定してのこと。鞍上のファインプレーだ。課題だった折り合いもスムーズで4角では痺れる手応え。直線入口でアグネスの外めに進路を見出し、一気のスパート。ジワリと伸びて一瞬は先頭に立つも、上位2頭の切れ味に屈した形。それでも、馬場の悪い内めを通ったこととマイルの瞬発力勝負タイプできたのは高く評価できる。

 レディアルバローザは勿体ないレースとなってしまった。3番枠発走から道中は無理することなく中団の内めを追走。サングレ同様に馬場の悪い内1頭分は開ける。明暗を分けたのは4角から直線入口にかけての進路だ。本来なら馬場の良い外めへ持ち出したかったが、ベスト、コスモなどに外からびっしりと張られて行き場がない。仕方なく直線を向いてインを突きジュエルとアグネスの間を狙うも、左ステッキでヨレたアグネスに進路を塞がれてしまう。そこから左手綱を引いて立て直して伸びてはいるものの、あまりにも痛い不利だった。スムーズに外めへ持ち出せていたら3着はあっただろう。

 リビアーモは例によって後方からの競馬。自分でレースを作れない弱みが出てしまった。ほぼ同じ位置にいたヒカルに4角から一気に離されてしまったのは力負け。欲を言えばもう少し流れてほしかった。

 ブロードストリートは使われつつデキが上向いていた。道中は発馬直後から手綱を押して行って中団に取り付く。流れが落ち着いた3角手前から馬群のなかで脚をタメる。同じ位置にいた勝ち馬が馬なりのまま直線を迎えたのに対し、同馬は激しく手綱が動き、直線で一気に離されてしまう。直線で手綱を引っ張るシーンがあったのは、狙っていた進路を手応えで上回るストリートスタイルに奪われたから。自身はジリジリとしか脚を使えなかった。マイルでの決め手の差が出てしまった。やはりもう少し距離がほしい。

 ストリートスタイルにはびっくりした。攻めはいつも動くタイプだがマイルで一変した。発馬でトモに重心が掛って出負け。スローの流れでただ一頭置かれた形。万事休すかと思われたが、直線で鞍上の左ステッキに応えてもの凄い脚で急追。最後は脚が上がってしまったが、見せ場十分だった。追われてから重心が低く切れ味は相当。距離が延びて良さが出た。

 アグネスミヌエットは久々のハンデがあったし、道中は顎をグッと下げてハミに頼った走りで力みが見られた。過去にはベッラレイアも同じような感じだったが、これだと手応えほど伸びないし、道中でポディションを上げればガツンと掛ってしまうので動くに動けない。今後は馬具の工夫があれば要注意。

 コスモネモシンは好発から道中は先団を追走するも、直線はジリジリとしか伸びず。下見どころからテンションが高く、なし崩しに脚を使わされた感はあった。最後は切れ負けの形。ペースが速くて上がりの掛るレースで一瞬の切れを生かせる中山マイルがぴったりか。

 アグネスワルツはフワッとした発馬から少しづつポディションを上げて行く競馬。他に引っ張る馬がおらず苦手な瞬発力勝負になってしまった。先行馬には辛い馬場になったのも誤算だった。デキも下降線を辿っていたか。

 アプリコットフィズは栗東滞在だった秋華賞でも下見どころから発汗が激しかっただけに、美浦からの長距離輸送で落ち着きがポイントだった。下見どころでは落ち着き十分に映ったのだが、レースでは逃げ馬不在でスローの流れ。押し出されるように先行し、前に壁を作れずにモロに掛ってしまった。鞍上が制御できなかった。

 本命を打ったプリンセスメモリー四位騎手の騎乗にはがっかりさせられた。大外枠発走からなかなか馬群に取り付くことができず、ただ一頭大外を通りながらジワリと内めへ切れ込んでいく。他馬が近寄ると外へ逃げて嫌がる素振りを見せていたし、鞍上が言うように前に壁を作れずに3角では掛り気味だったのは確か。4角でブロードストリートと接触して怯んだにせよ、まだ手応えは十分にあったはずだ。それなのに直線は手綱を少ししごいただけであとは流してフィニッシュ。全く追う素振りを見せなかった。馬券を買っているファンからすれば到底納得できる騎乗ではなかった。残念。


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