ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎ディドロと百科全書 4

2015-03-01 22:51:02 | 歴史 本
ディドロと百科全書 4

★ディドロ(1713~1784)

趣意書
・ディドロはチェインバーズの「百科辞典」の原文に満足できず、まったく新しい「百科全書」を作り出そうとした
 1750年10月、ディドロの手による「百科全書」の「趣意書」が8000部配布された

・「技術と学問のあらゆる領域にわたって参照されうるような、そしてただ自分自身のためにのみ自学する人々を啓蒙すると同時に、他人の教育のために働く勇気を感じている人々を手引きするのにも役立つような、ひとつの「辞典」を持つことが大切だ、と私たちは信じたのである。
 これまで、誰もこれほど大きな著作を思いついたひとはなかった」

「私たちは「チェインバーズ辞典」の〔イタリア語〕全訳に目をとおした。そして、学問においてはあきれるほど多くの事項が足らず、自由芸術においては数ページが必要であったところに1語しかなく、また機械技術においては全部を補充せねばならぬことを、私たちは見出したのである」

「ひとりの著者にとって、ただその特殊的な研究をするのに全生涯かかったひとつの学問あるいは技術を根本的に取り扱うのは、どんなに困難なことか。ましてや、一体、どんな人間が、学問と技術のすべてをひとりだけで取り扱おうと企てるほど、向こう見ずで短見であることができるのか。
 この反省から私たちが結論したことは、私たちが担わねばならぬこんなに大きな重荷を支えるにはそれを分担する必要がある、ということであった」

「私たちの協力者の各人は自分が引き受けた部分についてひとつの「辞典」をつくり、私たち〔編集者〕はこれらの「辞典」全部をひとつの全体に統一したのである」

「この『百科全書』の全内容は、結局は3つの大項目に帰着しうる。すなわち、学問と自由芸術と機械技術」

「この書物は、少なくともいつの日にか、一般読者にとってはあらゆる分野において、また本職の学者にとってもその人の専門を除くあらゆる分野において、図書館の代りをすることができるだろう」

「それは人間知識の確立と進歩とに貢献するだろう。さらに、真の学者、すぐれた技術家および啓蒙された学芸愛好家の数を増大させることによって、それは社会の中にいくつもの新しい利益を普及させるであろう」

「彼(ディドロ)はこの『百科全書』の最も広範で、最も重要で、読者から最も待望され、また、あえていえば書き上げるのが最も困難な部分の筆者なのである。それはさまざまな技術の記述である」(「百科全書」、桑原武夫訳編、岩波文庫の「百科全書序論」より)

・「百科全書」は本文8巻、図版2巻の予定だったが、実際は本文17巻、図版11巻となった

○1751年3月4日、ディドロはプロイセン科学・文学アカデミー会員となった

○1751年6月28日、「百科全書」第1巻が刊行された
 大きさは2つ折り版(40cm×25cm)915ページで、左右2段組で各74行であった
 発行部数は2050部