「Love of my life」
「運命の恋人」
フレディ・マーキュリーが作った
メアリー・オースティンへの愛の歌
・・・と言われている。
ブラアイアン・メイの紹介で知り合った二人。
フレディが23歳、メアリー18歳の時だった。
それ以来、フレディはメアリーの勤める洋服店に
足を運んで、
たった、これだけ!
半年間ずっと
「やぁ、メアリー、こんにちは」
これだけ!!
半年後、やっとメアリーをデートに誘う事に
成功!
そして、二人は恋に落ちて
一緒に暮らし始める。
フレディはメアリーの事が大好きだった。
1973年、
メアリー23歳のクリスマス。
フレディからのプレゼント。
マトリョーシカ・ボックス!!
そして最後の小さな箱に入っていた物は。
二人は結婚の約束をする。
その後、クィーンは成功への道をかけ上って行き、
フレディは朝になっても帰って来ない日が多くなり・・・。
いつしか結婚の話しもしなくなった。
クィーンの人気が出た事で
フレディの環境が劇的に変わってしまった。
メアリーは後のインタビューで、
そう、
フレディは
メアリーではない別の人を
愛してしまった。
...別の、
「男の人」を。
プロポーズから2年。
フレディはメアリーに
自分は「バイセクシャルだと思う」
とカミングアウトをした。
これで、二人の恋愛関係は終了。
大切なメアリーを、泣かせてしまった。
悲しませてしまった。
苦しめてしまった。
そして、フレディは
「Love of my life」を作る。
一般の歌詞では・・・。
Love of my life
運命の恋人
you've hurt me
You've broken my heart
And now you leave me
Love of my life
Can't you see?
きみは僕を傷つけた
僕の心を壊して
今きみは僕から去ってしまった
僕の最愛のひと
きみはわかっているのかい?
Bring it back,
Bring it back
Don't take it away from me
Because you don't know
What it means to me
返してくれよ
僕に戻してよ
僕から持っていかないでよ
だってきみはわからないんだ
それが僕にどれだけ大切なのかを
Love of my life,
Don't leave me
You've stolen my love
And now desert me
Love of my life,
Can't you see?
運命の恋人
行かないでほしい
きみは僕の愛を盗んで
そして今 見捨てていくんだ
運命の恋人
わかってるのかい?
・・・これ、おかしいよね。
まるでフレディが
メアリーにフラれたみたいじゃないか。
フレディは自分のゲイを認めて受け入れた。
血を吐く思いで、受け入れたと想像する。
でも、フレディはメアリーとずっと一緒に居たかった。
ずっと仲良く暮らしていたかった。
メアリーとの恋愛関係は終わったけれど、
その後もメアリーとフレディは「親友」として付き合う。
そして、
フレディはメアリーを個人秘書として雇い、
自宅近くのアパートの一室を買い与えてメアリーを住まわせた。
「
間違いがなければ、メアリーは僕の妻になっていたはずだから」
と、自宅と遺産のほとんどをメアリーに相続した。
間違いとは、自分がゲイになってしまった事・・・。
フレディは自分がゲイである事を認めたくなかった。
だからメアリーにカミングアウトする時に
100歩譲って(?)
バイセクシャル、だと言ったのではないか。
メアリーに「いいえ、ゲイよ」と太鼓判を押されてしまい、
その後フレディはゲイ一筋になる。
アタシは単語を調べ、
フレディの気持ちや人となりを汲んで
アタシなりに
訳してみた!
英語、久しぶり!
Love of my life
歌詞カードでは「運命の恋人」とか「最愛の君」とか、
メアリーの事になっている場合が多い。
でも、
ここはひとつ単純にLoveを「愛」にしてみる。
すると、
つじつまが合う様な気がするのだ。
この「愛」はメアリーへの「愛」だったり、
フレディ自身のゲイの「愛」だったりすると思う。
Love of my life
真実の愛
you've hurt me
You've broken my heart
And now you leave me
Love of my life
Can't you see?
真実の愛(ゲイ)は僕を傷つけた
僕の心を壊して
今、メアリーへの愛は僕から去ってしまった
真実の愛
きみはわかっているのかい?
Bring it back,
Bring it back
Don't take it away from me
Because you don't know
What it means to me
返してよ
僕に戻してよ
僕から奪っていかないでよ
だってきみはわからないんだ
メアリーへの愛が僕にどれだけ大切なのかを
Love of my life,
Don't leave me
You've stolen my love
And now desert me
Love of my life,
Can't you see?
メアリーへの愛
行ってしまわないで
真実の愛は僕のメアリーへの愛を盗んで
そして今 見捨てていくんだ
真実の愛
わかってるのかい?
この歌は75年リリースの「オペラ座の夜」に収録されている。
ちょうどフレディがメアリーにカミングアウトした頃だ。
そしてこのアルバムにはあの「ボヘミアン・ラプソディ」も入っている。
ママ
あなたを泣かせようとしたんじゃない
もし僕が明日再び戻って来なくても
元気に生きて行って
さようなら、みんな
僕は行かなければならない
君たちを残して「真実」に
向き合わなければ
この「ママ」はフレディのママでもあるし、
メアリーでもある。
フレディはメアリーを泣かせたくなかった。
悲しませたくなかった。
でも、
「真実」に向き合い、
悲しませ、泣かせてしまい、
そしてフレディも苦しむ。
その「真実の愛の哀しい歌」なのだ。
でも、フレディとメアリーの男女を超越した「愛」こそが
「真実の愛」なのかもしれない...と思ってしまうのだが。
ショパンも太宰もゴッホも然り。
アーティストの「心の血の叫び」から生まれる作品は
万人の心を掴んで離さない。
ある意味、他人の不幸は「蜜の味」・・・・。
人は残酷だ。