え~、W・ボルコムの「ラスト・ラグ」は相変わらず遅々として練習が進まず・・・
このままだと、挫折になりながらの練習?3年後くらいに何とかなってるかな、という感じです。
G・ウィンストンの「カノン」とビートルズ「レット・イット・ビー」はほぼ完成
練習というよりも、楽譜を見ながら思い出すという作業でした。
ショパンの「ワルツ10番」もプーランクもほぼOKですが、先生に見てもらわない事には何とも・・・
ラグで思い出すのが、Aさんの事。
当時Aさんは70代半ばの男性。
ヒゲをたくわえていて、ハッシュ・パピーの靴に、生地も仕立ても良いスーツ。
ラグタイムの楽譜がプリントされたTシャツをインナーにしていて、こんなTシャツがあるのか!
なんて、マニアックなじーさんなんだ!
しかも、ラグタイム弾きたさに70歳を過ぎてからヤマハの大人のピアノにレッスンに通い始めたそうで。
「若い女性のナマ足っていうのは、ホントにいいもんだなぁ~」(注・私の足じゃありません)とか言ったり。
のだめに出てくるミルヒーかと思った、ほんと、見た目もキャラもそっくり。
教会のオルガニストだった奥様はピアノを欲しがっていたらしく、結婚の公約にとピアノを購入したそうです。
結婚6年目、昭和37年の時で当時のお給料の20倍だったそうです。
音楽環境を整えたくて、洗濯機や冷蔵庫よりも早くに購入したそうです。なんか、すごい。
しかも、黒いピアノは嫌だったので木目を・・・という事でカワイのカイザー・ピアノを手に入れたそう。
Aさんは海外生活が長く、その時にラグタイムの表紙付き楽譜を収集したそうです。
美術骨董品扱いになるとかで、とても魅力的な表紙です。字体もイイ
その一部がコチラ↓
左から、「パナマ・ラグ」1904年8月15日
C・Seymour作曲 生没年不詳。
中、ジョセフ・ラム作曲「ナイチンゲール・ラグ」
ナイチンゲールとは夜鳴き鳥の事。
この表紙は本当はカラーで全体にブルー。
よ~く見たら、中央下あたりに作曲者のサインがあります。
この曲を練習したいと言ったらAさんが郵送してくれました。
モノクロじゃなくカラーにしてほしかったなー
右は「プリティ・ベイビー」。
ニュー・オリンズ生まれのピアニスト兼歌手のトニー・ジャクソンが1916年に発表した曲。
1978年、ブルック・シールズ主演映画「プリティ・ベイビー」に使われました。
この映画は「ジェリー・ロール・モートンに捧ぐ」という実はジャズ・ピアノ絡みの映画だったようです。
以上、Aさん率いる「ラグタイム・クラブ・オブ・サッポロ」の会報より。
かなり、コアなサークルでした。
私はついて行けませんでしたが、ラグの歴史についてとても勉強になりましたし、ラグも何曲か演奏したし、
何よりたくさんの美しい表紙にとても感動しました
ラグタイムとは西洋人が好むマーチ(行進曲)に黒人独自のリズムが入った音楽。
ドビュッシーの「ゴリウォークのケークウォーク」もラグになるかと思います。
ゴリウォークとはイギリスでは黒人差別用語でケークウォークはラグに通じる黒人のダンスの事です。
Aさんはその後、愛する奥様を亡くされ、すっかり憔悴し、その数年後に奥様が待っている天国に逝ってしまわれまし
た。
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