よしーの世界

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戦後政治を終わらせる   白井聡

2019-10-13 07:38:13 | 
「永続敗戦論」で有名な白井聡氏の著作で、大戦後の占領から55年体制、そして現代に至る日本

の政治を考察し、現在の排外主義、反知性主義の横行を敗戦という事実を認めない権力者たちの都

合によると一刀両断している。そして国民の側も政府発表に唯々諾々と従うことで、自ら思考する

ことを放棄している。小泉政権から安倍政権と繋がる対米追従路線は政権を安定に導く代わりに日

本の資本を差し出し、国民の生活を苦しくさせている。


「生活が苦しい」と回答する国民が6割に及ぶのに、安倍政権は消費税増税を強行し、他方では韓

国叩きに走り国民の目をそらせようと画策する。世界中で他国を誹謗、中傷し、叩くことによって

国民のコアな層の熱狂的支持を受け、英雄気取りの指導者が増えている。彼らの政策で国民の将来

的利益は吹き飛んでしまうのに。流石にトランプは景気に陰りが見えて中国に歩み寄ろうとしてい

るが、安倍政権はその気配さえない。


マスコミを筆頭に冷静に議論を出来る土壌がないと、只々感情論によって支配され、国民の幸福と

はかけ離れた政策が横行する。第二次世界大戦の敗戦をしっかり受け止め、キチンと分析すること

によって、現代日本の問題を浮き彫りにすることが出来る。今の政治家達は職業が政治家だと思っ

ている。しかし彼らは選出されなければ、唯の人なのだ。自らの考えをしっかり説明できて、自ら

の行動で示せない議員は選んではいけない。


本書は日本国民全ての人に読んでもらいたい。そして考える時間を作ってほしい。自分の考えを持

って身近な人と話してもらいたい。今の政治はあまりにもお粗末だ。勿論批判だけではらちが明か

ないが、批判さえ通らずに強行採決ばかりでは歪んだ政治になってしまう。苦しむのは大多数の国

民だ。


戦後政治を終わらせる     白井聡    NHK出版新書
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