考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

法律違反

2006-09-21 22:58:24 | 社会的責任

石田衣良さん提案の「残業禁止法」に賛成したい。
今週のフリーマガジン『R25』の巻末コラム「空は、今日も、青いか?」の中で提案されていたものです。週に2日でも3日でも残業を禁止すれば、少子化問題にも貢献し、経済も活性化するだろうと、そういう内容です。
また、石田さんはこのように書かれています。
仮に法制化がむずかしくても、この残業禁止法(仮)の国会審議は絶対に世論の注目を集めるはずだ。」と。
ボクもおっしゃるとおりだと思います。法律化することが大切なのではなく、残業問題について国会議員も経済界の偉い人もボクらも、みんなで議論すること、そうすれば働き方や自分の能力、プライベートの過ごし方や生きがいなんかも見えてくるんじゃないのかな。って、早速、自問自答の自家発電議論が始まり、いろいろ考えています。

実際には、現在の労働基準法の中で基本的には「週40時間以上の労働」は禁止されています。つまりは週40時間以上働かせている企業は法律違反なんです。多くの会社は労働組合などと締結する36協定によって免罪されていますけど、法律違反には違いないんですよね。
最近の世論は一部の不祥事や法律違反には厳しいですけど、長年続いているこんな法律違反は日常風景のひとつになってしまっているんでしょうか。

「6,871」と「32,552」
何の数字だか分かりますか?
前者が交通事故による死亡者数で、後者が自殺による死亡者数です。
どちらも悲しい数字ですけど、この中には飲酒運転や超過労働を原因とした死者も含まれています。飲酒運転という法律違反も意図的であると同時に、超過労働という法律違反も意図的です。どちらも体質によって許容量が違うという点では裁きにくいものだと思いますけどね。
この機会に飲酒運転だけでなく、超過労働も社会問題にして欲しいなと思います。

みなさん、ハローです。ホディです。

飲酒運転問題では、朝日新聞の記者が酒気帯び運転で検挙されたというニュースが今朝、出ていましたよね。その後、その記者を「懲戒解雇」するという処分のニュースがありました。
http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200609210373.html

懲戒解雇処分ですか・・・
このようなケースで本当に解雇出来るのか?、「酒気帯び運転による検挙」が客観的に合理的な理由となり、社会通念上相当であるのか?、個人的には疑問です。この処分が法律違反の気もしますけど、今日は置いておきます。
もちろん、飲酒運転を正当化するつもりは毛頭ありませんので、念のため。

このブログでボクの嘆きをよく聞いている人は、こういうニュースにボクがどういうコメントを出すのか、もうお分かりかと思いますけど。。。
朝日新聞は、処分が会社の責務だと勘違いしていないですかね。
いわば「私人」である法人が自社の職員個人を裁いても、世の中、何も変わらない。法律違反を裁くのは裁判であって、私人の役割ではない。
世の中変わらないと言いましたけど、今回は朝日新聞と言うマスコミなので、厳しい処分によって「飲酒運転による社会的制裁の厳しさ」を広めることにはなると少しは思います。けれども、「飲酒運転による社会的制裁は厳しいヨ」と広めている我が身からもこういう錆びが出てきてしまう現実は、そこには大きな「バカの壁」が存在している証明に他ならないとボクは考えています。「言葉のチカラを信じる」ことは悪いことではないと思いますけど、「言葉」より前にやはり自分自身。
そんな処分の前に、やるべきことは沢山あると思いませんか。

そんなボクが、朝日新聞に願うのは・・・
法律違反を犯してしまった心理の解明。
記者であれば取り締まりも処分も厳しいと分かっていたはず、それでも車に乗ってしまった心理はどんなものであったのか。それこそ、報道に値するとボクは思う。
法律違反者を身内から出してしまった組織の問題の解明。
福岡市役所などの官庁や公務員を責めていた矛先を自社に向けるべきではないのか。対岸の火事として眺め、自社の職員に対しての徹底を怠っていたのではないのか。これも、報道に値するとボクは思う。
そして、やはり過ちを犯してしまった記者の更生。
投げ出すばかりが責任ではない。逆にこういう時期に飲酒運転をしてしまうような社会人を他所に出すことは無責任ではないか、とすらボクは思う。飲酒運転による事故の取材専門でがんばってもらうことも出来たんじゃないのかな・・・

会社は超過労働と言う法律違反を犯して、職員を追い込んでいる。
追い討ちをかけるように、職員の法律違反には厳しく、さらに職員を追い込んでいる。
ボクには、これは美しいとはとても思えない。

いよいよ「美しい国」づくりが始まりそうですね。
「美しい国」への第一歩となるであろう?残業禁止法、ぜひ議論して欲しいものです。


空は、今日も、青いか?

日本経済新聞社

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4 コメント

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(^v^) (hoddy)
2006-09-23 15:40:13
のんさん、コメントありがとうございます。



>懲戒・・・危険な運用がされている場面も多数あるんだろう

おっしゃるとおりですね。サラリーマンはやはり弱い立場なので、そういう場合も泣き寝入りせざるを得ないことも多いんでしょうね。

企業活動を支えるには、一定の規律と罰則も必要なのでしょうけど、法人は「指導する立場」であり「更生させる責任」もあるのだとボクは思っています。

難しいですよね。







skogさん、コメントありがとうございます。



コメントを読みながら、再びいろいろ考えさせられています。日本経済の高度成長を支えたskogさんたちの世代が、一度「残したモノ」と「失わせたモノ」の総括を期待したいですね。

これはボクらの世代ではできません。

最近の政治で見られる「格差社会などの原因を小泉内閣にすべてを押し付けること」は現実逃避でしかないとボクは思っています。今の社会はやはり国民が作り上げた、これは疑いようのない事実です。

「美しい国」は反省からではないでしょうかね・・・







ひろくまさん、コメントありがとうございます。



<ホワイトカラーエグゼンプション>

ボクも気になっていましたけど、日本人はやはり滅私奉公が好きなんでしょうかね。

本当にこういう制度を作りたいのか、ボクには理解できません。その前にうつや自殺の問題を解決しないと、このままでは国民病になってしまいかねませんよね。

まず「労働基準法を厳正に適用」というのは、おっしゃるとおりですね。検察も六本木ヒルズなどの特殊な人をターゲットにする前に、汗をかかずに労働者を酷使して利益を過剰に追求する「法人」から責めるべきだったと今日のボクは思っています。



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なんだかな~ (ひろくま)
2006-09-23 07:00:13
過重労働による、うつや自殺は増えることはあっても減ることはない状況のようです。

労働基準法を厳正に適用するだけでも随分状況は改善されると思うのですが。



でも<ホワイトカラーエグゼンプション>が導入されたら、残業と言う概念そのものがなくなり残業禁止法も意味がなくなるんですけどね。



ホワイトカラーエグゼンプションについてはこちらを参照ください。(日本の人事部より)

http://jinjibu.jp/GuestDctnrTop.php?ct=dtl&id=118
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発想の転換 (skog)
2006-09-22 15:28:20
残業も少子高齢化、田舎の不便さも根っこは同じではないでしょうか。

人間を優先させるとはいっても、人間の何を優先するのでしょう。

生きていることの楽しさではないでしょうか。

今の日本は弱肉強食が当然のようで、経済力、体力がないと生きていくのも大変です。

スペインは残業をすると企業も個人も罰せられるそうです。

ヨーロッパでは夕方から家族連れで町にくりだします。商店は5時か6時には閉店しますがウインドーはライトアップされて、ウインドーショッピングを楽しんでいました。

私の世代は残業をし個人生活を犠牲にして今日の日本を作りましたが、果たしてそれが良かったのか将来には不安です。

家庭崩壊、親子同士の殺人、すぐに切れる子供。

美しい国は何処に?

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サバく人 (のん)
2006-09-22 13:10:13
会社の処分、とても難しい問題ですよね。実は、私もこの一年の間に2回も懲戒に関して考えさせられることがありました。そもそも、会社のようなClosedな組織の中で、そういう懲戒のレベルを決めることができる裁量というか資格ってどういうもんなんでしょうね。法律的な基礎知識や調査能力、空気や行間を読む能力、落としどころが探れる能力・・・

危険な運用がされている場面も多数あるんだろうと思います。

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