考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

人事評価

2010-05-15 23:13:20 | 人事の仕事

年度末が過ぎ、夏の賞与に向けて・・・
多くの会社が人事評価の季節を迎えているのではないでしょうか。
ボクの場合は、仕事として「人事評価」を扱うわけですが、
何年やっても悩ましい、何年やっても達成感がありません。

それでも、「評価」は大切で、ボク自身は企業文化の極めて重要な要素ではないか、
と考えているくらいです。
(そもそも、目標とは自ら設定するもので、ノルマは望ましくないという常識?にもボクは大きな疑問を感じていますが、これはまた別の機会に。)

そんな中、昨日の日経夕刊1面のコラム「あすへの話題」で、
三井物産の会長・槍田松瑩さんが『客観的評価』という内容の話を書かれていました。
ちょうど自分の思っているところと、重なっていたので、
思わず、twitterでも書こうとしていたんですが、なかなか短文では書ききれない
・・・ボクの能力の問題ですね・・・
ので、ブログに書こうと思います。

まず、三井物産の槍田さんはこんな風に書かれていました。

客観的評価の難しさはビジネスや経営の世界でもしばしば感じる。
その最たるものが人事評価ではないだろうか?
日本企業の多くが、欧米流の考え方を採り入れた制度を導入し、
客観的に“公平・透明”であることを目指しているようだが、
そこに微妙な違和感を抱くのは私だけだろうか。
(中略)
仕事や能力といった複雑極まる対象をデジタル化して解釈するわけだ。
そうすることで、評価は客観性を持ち、社員の納得感も高まるといわれるが、
果たして、仕事も人間もそれほど単純なものだろうか?
客観性を追及するあまり、徒に形式主義に陥っているケースも
ままあるように思われる。
(中略)
客観性は勿論重要だが、それにこだわるあまり、
失われていくものも多いのではないか・・・

この話を読んで、どんな風に感じますか?

槍田さんは“ついこの前迄は、多くの上司は、部下の職能形成や人生に最大限の関心を持ち、自らの存在を賭けて部下の全てを「評価」していた”ので、
その評価は客観的でも透明でもなかったけれど、納得感はあったはず、
とそんなことも書かれていましたが・・・
この点は、個人的には居場所(役員室から窓際まで)が多かった時代でも、
それはそれなりの不満もあったはず(と想像する)ですが、
それでも居場所と、それなりの右肩上がりの処遇がその不満を埋めてきた
のではないかと思うんですよね。
きっと、評価が高かった人には分からない「納得感のなさ」なんでしょうが。

少し話がそれましたが、そもそも評価とは何なのか?

担当業務の内容を分析し、項目ごとに目標を設定し」、
その目標に対しての達成度を評価する今が正しいのか。
それとも、職能形成や人生まで「部下の全て」を評価していた
ついこの前迄が正しいのか。
他にも、業務上の成果やプロセスを評価したり、
取り組み姿勢を評価したり・・・

そして、評価は何のためなのか?

昇進や異動の参考にするのか。
昇給(降給)や賞与の査定基準にするのか。
他にも、人材育成(指導)の一環だったり・・・

10年以上前に人事部の仕事をするようになってから、
ずっと頭を悩ませていますが、全然、答えに行き着かないんですよね。
どれも「そういう考えもあり」ですし、どれも「そうしたら良い面もある」わけで、、、

残念ながら、
そもそも評価それ自体に、算数のテストのような公平・透明さはないんです。

だからこそ、「評価の数値絶対主義」や「客観的であれば正しい」という幻想に、
会社やいわゆる上司の皆さんが、あまり囚われて欲しくないと思っています。
自分が見えていない仕事があるかもしれない、間違っているかもしれない、
度量衡がそろっていないかもしれない、等々、
変な言い方になりますが、自らの「評価に対しての評価」も定期的に行って欲しい。

それでも、「人事評価」は、会社の仕組み上・制度上、必須のものになっているはずですので、必要ないとも言いませんし、
客観性は勿論重要」ですから、好き嫌いや何となくではなく、
出来るだけ多くの実例や目標に対しての成果を、
出来るだけ同じ度量衡で比べることを疎かにしないで欲しい。

もっと、いろいろと書きたいところなんですが・・・(長すぎ。ここまで読んでもらってありがとうございます。)

こうした答えのない(と、ボクが信じているだけかもしれませんが。)人事評価について、
答えのない議論をぜひ、定期的・継続的に行っていただいて、
会社の中・上司間での価値観や度量衡の(出来る限りの)標準化が出来ると良いですよね。
どういう仕事をする(どういう人材になる・どういう考え方をする)ことを、
会社が高く評価をするのか、そうした基準は会社の文化だと思うんです。
ぜひ、こういう会社が増えてくれないかな~と願っています。
(わが社も含め・苦笑

最後に、こうした話にちょうど重なった内田樹先生のブログの「言葉の力」という記事を紹介しておきます。
http://bit.ly/asnmFY

力とは外形的数値的に表示できるものではなく、ほんらいは内在的・潜勢的な資質であろうという話」なんですが、こんな風にまとめられています。
(ぜひ、全文を読まれることをお薦めします。)

人間的な意味での「力」は、何を達成したか、どのような成果を上げたか、
どのような利益をもたらしたかというような実定的基準によって考量すべきものではない。
「言葉の力」も同じである。
「言葉の力」はそれが達成した成果やそれが発語者にもたらした利益によって計測されるのではない。
そうではなくて、「言葉の力」とは、私たちが現にそれを用いて自分の思考や感情を述べているときの
言葉の不正確さ、不適切さを悲しむ能力のことを言うのである。
言葉がつねに過剰であるか不足であるかして、
どうしても「自分が言いたいこと」に届かないことに苦しむ能力を言うのである。

人の力というのも、まさにそうじゃないのかと。
もちろん、「何を達成したか、どのような成果を上げたか、どのような利益をもたらしたか」で評価すべきものもあるのも分かっていますが、
それだけじゃないよね?
そんな風に考えて、この時期、ずっと悶々としています。

誰か、そんな答えのない話でボクに付き合ってくれる人はいませんかね?(笑)
語り合おうよ!

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6 コメント

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人事評価に関する話はつきませんね (山田和裕)
2010-05-17 17:00:52
ブログを拝見させて頂きました。
人事評価について深くお考えのようなので嬉しくなりました。


ご指摘のように「評価は大切」で、究極のマネジメント手段といえます。
「マネジメントそのものだ」という考えもあります。

人事評価は経営トップや組織長の本音を反映します。
人事評価の権限を持っていない人がどんなに良いことを言っても、
人は動いてくれないのが現実です。
人事評価が組織文化をつくるといっても過言ではないのでしょうか。


槍田会長の話を引用されている三井物産の人事評価は、
極端な結果重視の成果主義の反動で不正入札事件を起こした後、
定性8割/定量2割の制度に変更しましたが、実態としては
うまくいっていない部分もあり現在も悩まれている状況
と聞いています。


「評価は何のためなのか?」重要な問いですね。

本来めざすべき目的としては、以下のようなものが挙げられます。

(1)社員のモチベーションを高める
(2)強みを活かして業績の向上に導く
(3)人財の育成

しかし実際は、本来の趣旨とは違うことが目的にされているのが
うまくいかない理由の一つになってるのではないでしょうか。

(4)賃金・賞与の配分やコントロール
(5)人に優劣をつけて、上にあげる人間を選別する
(6)仕事をちゃんとしない人や言うことを人に罰を与える

私自身は評価の目的を「心の報酬の充実と業績の継続的改善」
と定義しています。

“心の報酬”というのは独自の表現なので少し詳しく補足しますね。
「社員の仕事のやりがいやモチベーションという“心の報酬”を
充実させて、健全な成長を支え創造性を引き出すこと。
 その創造性をもって“業績の継続的改善”をめざす」

長文なので書かれているので、全ての部分に対しては言及でき
ませんが、今回は評価の目的にしぼってコメントさせて頂きました。

私も最近ようやくTwitterを始めたので、さしつかえなければ
引き続きTwitterも交えながら意見交換させてもらえると有難いです。
名前/ユーザ名は、山田和裕/flecrea_kyamadaです。
返信する
re:人事評価に関する話はつきませんね (hoddy)
2010-05-18 23:15:28
山田さん、コメントありがとうございます。

今日、会社でも「人事評価制度」の話になりました。
自分の思うことをキチンと伝えることはとても難しいですね~

今日、話しながら思っていたんですが、
評価で大切なこととして、評価者自身の成長という視点もあるな~と考えていました。
人(他人)は鏡だったりします。
人の振り見て、我が振りなおせ・・・
人を見ることで、自分を見て、組織を見る、
本当はそんな視点もあるんじゃないかと。

評価者や人事の担当者は、どうしても「評価する立場」で自分を棚に上げる傾向があると思います。
それが、印象評価であれば、あるほど、そんな傾向が強まる気がするんですよね。
だからこそ、出来るだけ、具体的な事例(行動)を積み上げて、出来るだけ同じ度量衡で観る努力をしないと・・・

そんなことを感じていました。


返信する
引き続き人事評価制度について (山田和裕)
2010-05-21 14:48:08
ブログの方に返信してもらってるのは気づいていませんでした。
返信が遅くなってゴメンナサイ。

「評価を通じて評価者自身も成長する」 素晴らしい視点ですね!

私自身は、「人事評価の結果は、評価者自身に必ず帰ってくる」という考え方をもっています。

内容は少し長いのですが、自分で書いた「さらばイエスマン 人が活きるプロセス評価」という
本に記載しているので、もし興味があるようでしたら1冊送りましょうか?

ご興味がある場合は、info@flecrea.comに送付先を教えてください。
返信する
re:引き続き人事評価制度について (hoddy)
2010-05-21 23:37:09
山田さん、コメントありがとうございます。

お言葉に甘えて、メールを送らせていただきました。

もしよろしければ、ぜひ読ませてください。

返信する
またまたご無沙汰で (moto金田浩)
2010-05-24 23:41:30
なんだか難しい問題に取り組まれておられ
ますねぇー。大いに悩んで悩んでください。
これが正解なんてないんですから。
なに長年評価され評価するをしてきました
もので。(笑)
返信する
re:またまたご無沙汰で (hoddy)
2010-05-29 19:17:43
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

本当に正解がないことは、悩み甲斐があります(笑)。

長年評価され評価する・・・
また、いろいろと教えて下さい。

返信する

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