山本周五郎「さぶ」を読了。
本屋さんで何の本を読もうかと、つい手に取った一冊。
最近の自分自身の悩みから、裏表紙のあらすじ?に惹かれたんですよね。
やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向かう中で生まれたひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。
無実の罪と言えば、大げさになりますが、
誤解や悪意の落とし穴とは、隣りあわせで、
いつ自分の身に降りかかってもおかしくない・・・
そんなことを思いつつ、読み始めた本でした。
題名は「さぶ」ですが、この本の中心は“さぶ”と同い年の栄二。
昔流行ったドラマ風に言えば、「ドジでのろまな」さぶと、
何をやっても上手で、女性にももてる栄二・・・
順調だった栄二のほうが、無実の罪で、様々な不遇を受ける、
そんな内容の本です。
話のベースにあるのは「復讐心」になるんでしょう。
若さゆえなのか、あるいは年には関係がないのか、
栄二は復讐することが、生きる目的になっていきます。
「復讐」と言えば、やっぱり岩窟王、モンテ・クリスト伯ですよね。
本も長編ですが、ダンテス(=岩窟王、モンテ・クリスト伯)の復讐心は実に長く、深く続いていく、
古典ではあるものの、読むものの心理をつかむことでは、
今でも決して古くはない名作だと思います。
その「モンテ・クリスト伯」と「さぶ」の違い・・・
ここが、これからのボクらの生き方を示してくれている気がします。
これからは、読んだことのない人には、若干、ネタバレになりますが、
孤独に復讐を成し遂げていくダンテスと、
周囲の助けや思いやりに支えられ、復讐以上に大事なものを見つけていく栄二。
ボクらは、どうやって生きてきたのか、
そして、今後は何を大切に生きるのか・・・
(国際社会の問題を考える上でも有益かもしれません。)
不運や失敗も、必ずしも余計なものではない・・・
人間不信の真っ只中で、未だにそんな気持ちも払拭できずにいますが、
良い本に出会った、と思います。
それだけでも、落とし穴も悪いだけじゃないな、と・・・
そうでも思わないと、やってられないのも現実なんですよね。
さぶ (新潮文庫) 山本 周五郎 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫) アレクサンドル デュマ 岩波書店 このアイテムの詳細を見る |
くださいませ。山本周五郎様の本も良く読みました。
そして、その時の自分の気持ちを慰めたものです。
そして私の場合は、あらら作家の名前が出てきま
せんが、歴史小説で高名な、、、
家族も当然ですが、仲間の大事さ、
コミュニティの大事さを感じました。
本当のセーフティネットは、お金じゃないんじゃないか・・・、と。
人足寄場がどうかは別として、
身を寄せ合って生きる場所も大事なんでしょうね。
歴史小説で高名な、、、
司馬遼太郎さん
仲間の大切さ、いいですねぇー、身を寄せ合って
生きる場所とは素晴らしいです。