歪んだ燭台の中の左手の小指の先端の骨はすでに黄色く、そこでどれだけの時間が流れたのか見...

擦過傷に滲む薄い血のような光が時折目の端にチラついていた、少し水分を取るべきなのかもし...

鼓動が意識の中で反響している、その響きは強過ぎてどれが最初の音なのか感じ取れないくらいだ、意味の無い疲労と焦燥の中で、その僅かな振動に糸口を見つけようとしていた、流れを変えるのはい...

藍色の悲観主義が窓枠と一緒に錆びてる、デカダンスは周回遅れだ、何かを突き詰めて探そうとすると必ず時代遅れだと揶揄される、連中はどんどん頭を使わなくなっているのさ、初見で判断出来るも...

懐かしいロックンロールの残響がまだ耳の中で鳴り続けている、俺はなにも過去にすることがな...

色褪せ、解れ気味の痩せ細った卵巣に宿った鼓動は産まれる前から眉間に皺を寄せていた、それが俺、それが俺さ、俺の胸中は初めからポエジーに寄生されていた、やつは俺の視神経と血管の幾つかま...

異国の船は沖の無人島の側で沈んだってノイズだらけのラジオが言ってた、本来はアウトドア用のロングチェアーにもたれながら、海水をたらふく飲んで死ぬのはどんな気分だろうと俺は考えた、大量...

日々は痴呆症のように過ぎる、こめかみを強く押しながら昨日の夢を思い出そうとしている、連...

何度も寝返りを打ったのに結局眠ることは諦めた、ノーステッチのブラックジーンズ掃いて真夜中に繰り出す、目的を失った連中たちがダンゴムシのようにビルの影で丸まっている、落伍者たち、でも...

酷暑の最中だったが、脳髄に氷水が流し込まれているみたいに冷めていた、体温や体調のせいな...