新潟の思い出語り

また朝が来た。

階下に降りるのが躊躇される。

みぞおちの不快感が激しい。

 

もう快活さはゼロ。とろとろとろ。

 

食うか、寝るか、パソコンデスクの椅子に

座るかの一日。

生きる意味？　そんな難しいことは考える

気にもならない。

 

昔の自分の撮った写真を見ていた。

シナノキにメジロが止まっている写真。

新潟を思い出した。

 

シナノキの四季は美しい。

マンションすみれの敷地にシナノキが植樹

されていた。

 

北風に乗ってシナノキの実がプロペラに

よってヒュルヒュルと回転していたのを

思い出す。引っ越しのときたくさんの

新芽の中から少しいただいて帰った。

 

今ごろ越後石山駅の傍にあった石山園芸センター

はどうなっただろう？移転が決まっていた。

そこには野鳥たちも居て、癒される植物園が

あった。マンションの前の美しい樹の名前を

知った。

 

マンションを検索すると物件が出ていて、

和室だった部屋は全て板張りになっていた。

キッチンも最新の白いクロスで覆われている。

 

服部コーヒーフーズが向かいにまだ存在して

いた。あそこの自販機を冷蔵庫代わりにして

コーヒーやコーラを買って飲んだのを思い出した。

 

今日もこうやって時間が過ぎていった。

生きていた。